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息子を自傷行為から守った帽子 あなたも守りたい

2008年6月6日

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フォト軽くて快適、おしゃれも楽しめる保護帽「としちゃんCAP」を考案した甚田ノブ子さん=金沢市馬替3丁目

 軽くて快適、母心のアイデア――。知的障害を持ち、自傷行為が激しかった息子のため、金沢市の主婦甚田ノブ子さん(68)が考案した頭部保護帽「としちゃんCAP」が好評だ。パーキンソン病など歩行困難で転びやすい患者に広まり、甚田さんは私財を投じて製造販売を始めた。まだ知名度は低いが「息子への愛情を形にした帽子。役に立てるよう息長く続けたい」と意気込む。(矢代正晶)

 甚田さんの長男、俊夫さん(45)の名にちなんだ保護帽「としちゃんCAP」はパイル織りの綿を使い、丈夫で通気性が良く、何度も洗えるのが特長。刺繍(ししゅう)やアップリケで飾ったり、上からバンダナなどを巻いて、既製のヘッドギアやヘルメットよりおしゃれも楽しめる。

 俊夫さんが柱に頭をぶつけるなど自傷行為を繰り返していた10歳の頃、革の保護帽が汗で蒸れているのが切なく、「何とかしたい」と思い立った。手ぬぐいなどを試した末に、軽さと耐久性を併せ持つ素材にたどり着いた。

 俊夫さんの自傷行為は帽子を変えて半年ほどで収まり、それから約30年、帽子のことは忘れていた。4年前、交通事故で入院した甚田さんは、足が思うように動かず何度も転ぶパーキンソン病患者の男性を見かけて、再び胸がうずいた。

 「何とかしてあげたい」。帽子を思い出し、同じものを作ってプレゼントすると「安心して歩ける」と感謝された。その後「パーキンソン病の妹が転んで救急車で運ばれた」という知人にも贈ったところ、「同じ悩みの人が入手しやすいようにして」と励まされ、市販化を決意した。

 約180個を用意して、昨年8月に販売を始めた。実用新案登録の費用と合わせ、経費約150万円は蓄えから持ち出した。昨秋、県バリアフリー社会推進賞と県発明くふう展で奨励賞を得たが、売れ行きは「月に1〜2個」。採算ラインには遠いが、俊夫さんと歩んだ人生が詰まった帽子への思いは深い。

 「としちゃんを授かって人の悩みや痛みが分かるようになり、優しくなれた。お金より人助け。世話を焼くのが好きなんです」

 冷え性や腰痛持ちの人のためにと、帽子の素材を応用したベルトは半年で約90個売れた。「愛情があればアイデアがわいてくる」。甚田さんの意欲はつきない。

 帽子は1個5775円と、保護機能などを強化した7120円の2種。

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