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2011年10月5日0時42分
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石川・白山の牛首紬、パリで挑戦 ドレス向けにアピール

 白山のふもと、白峰地区(石川県白山市)の伝統産業「牛首紬(うしくびつむぎ)」が、海外進出に挑戦している。先月20〜22日には、パリで開かれた世界最高峰の服地見本市「プルミエール・ヴィジョン」に初出展。着物向けの需要減が続くなか、製造元は「高級ドレス向けの生地として売り込んでいきたい」と意気込む。

 800年余の伝統を持つといわれる牛首紬は、2匹の蚕(かいこ)が同時に作る「玉繭」から引いた糸で織ることで生じる独特の風合いが特徴。釘に引っかかっても、逆にその釘が抜けるほど丈夫なことから「釘貫紬」の異名も持つ。

 だが、需要減少に伴い、現在残る工房は2社のみ。そのうち海外進出を図っているのが西山産業開発(白山市部入道町)だ。2年前から海外の展示会に本格的な出品を開始。洋装に使いやすいように通常38センチの反物の幅を1メートル40センチに広げたり、緑や黄など鮮やかな染色に挑戦したりと試行錯誤を重ね、今年7月のパリ・コレクションでは海外デザイナーのドレスの素材に採用された。

 そうした実績が認められて今回、プルミエール・ヴィジョンの事務局から声がかかった。希少で高度な技術を持つ12の工房を集めた「メゾン・デクセプシオン」という展示エリアに、日本からは結城紬(茨城)、藤布(京都)の工房とともに参加。欧州のデザイナーやデザイン学校関係者らから、一般の絹織物より落ち着いた程よい光沢感や肌触りが評価されたという。

 牛首紬はほとんどの工程が手作業で高価なため、オートクチュール(注文服)向けに売り込みを図る。西山産業開発の西山博之専務(51)は「納期を短くすることなど、海外ブランドからのニーズに応じた商品開発を進めていきたい」と話している。(生田大介)

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