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東京に新進6ブランド集結 「モード+アート」自由に

2007年09月17日

 東京で何か面白いことを――との思いで集まった世界の新進6ブランドが、都内でインスタレーション展「ヨーロッパで出会った新人たち」を開いた。若手の育成を掲げる東京発日本ファッション・ウィーク(JFW)の一環で、モードとアートの接点を探る意欲的な内容だった。5日までの1週間で1万人近い来場者を集めた。

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制服姿の等身大のフィギュアで「アキバ系」カルチャーを表現したミキオ・サカベ

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家出前の女の子の部屋をイメージしたリトゥンアフターワーズのブース

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ステレオタイプスの作品。ロッカーの中に「キティガール」や「ソーシャライト」などの典型的な服が入っている

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日曜の午後、屋外で行われたゲリラショー

 出展した6ブランドのデザイナーは11人。ロンドンとベルギー・アントワープの美術大に在学中、欧州のファッションコンテストで知り合った。ドイツやグルジア、イスラエル、日本など国籍は様々だ。

 企画のきっかけは昨年夏。セントマーチンズ美術学校の山縣良和さんや、アントワープ王立芸術大の坂部三樹郎さんらが、「パリコレクションにデビューしても、資金がなければビッグブランドのはざまで埋もれてしまう」などと話し合った。東京で束になって発表すれば、話題になって道が開けるのでは、と考えた。

 同じ思いの仲間を誘い、展覧会の企画書を何度も書き直した。JFW事務局や経済産業省に掛け合い、やっと開催にこぎつけた。

 東京ミッドタウン内にある会場の21_21デザインサイトは、ギャラリー。そのため、展示は「アートであること」が課せられた。それがかえってそれぞれの個性を際立たせるユニークな作品作りにつながった。

 坂部さんと台湾のシュー・ジェンファンさんの「ミキオ・サカベ」は、コスプレからヒントを得て、制服姿のバービーやリカちゃん人形風のフィギュアを出品。制服は、裏原宿系のTシャツによく使われるゴムプリントを厚く盛って人形っぽさを強調した。

 「世界で認知されている日本のポップカルチャーを、ファッションとしてきちんと消化してみたかった」と坂部さん。

 山縣さんと玉井健太郎さんが手がける「リトゥンアフターワーズ」は、「これから家出をすると決めた女子高生の部屋」という設定の空間を提示。差し迫った心情を部屋に投影した。世界地図の柄のレースのベッドカバー、綿のハンカチをつないで仕立てたセーラー服などで真っ白な空間を構成した。山縣さんは「モードがコンサバに偏る中で、服に詩的なアプローチが求められている」と語る。

 イスラエル出身のエレナ・ルメルスキーさんらによる「ステレオタイプス」は、並べたロッカーの中にスタイルの様々な典型を詰め込んで並列させ、固定観念のおかしさを皮肉った。

 堀内太郎さんは古代と未来の融合がテーマ。洞穴の中に麻やムートンなど原始的な素材に、鉄のコーティングで現代性を加えた服を飾った。

 インスタレーションだけではなく、実際に服を着せた「ゲリラショー」を、東京ミッドタウンの中で2回実施。計1400人の観客がモデルを取り巻いた。

 この展覧会は、日本のファッション教育の在り方を問う結果ともなった。参加者の出身校は、服作りの基本の徹底と、独創性を磨く教育で知られる。

 ある著名デザイナーは「日本で教育を受けた若手に、これほどきちんと肩を形作れる人は少ない」と感心していた。「個性的だから、日本人じゃないと思った」(20歳の女子学生)との感想もあった。

 右肩上がりの成長が世界的に終わりかけ、最近は新しい形で人々を刺激するようなデザインがめっきり減った。着やすいリアルクローズが増えた中で、自由な発想で服を作る楽しさが失われていることに改めて気づかされた。

 ◇写真はすべて東川哲也撮影

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