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バービー衣装展にみるモード史 最先端着せ替え続けて

2007年10月01日

 恐らく世界で最もファッショナブルな女性の一人。エッジーな最先端デザインや、超一流メゾンのオートクチュールをも着こなし、各国を渡り歩く。そんなバービーのファッションに注目した展覧会「バービー デザインの世界」が今月、都内で開かれた。もはやドールの域を超え、わずか30センチの小さな身体ながら、その「生き様」はモード史そのものと言えそうだ。

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クリスチャン・ディオール

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ハナエ・モリ

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ドリスキルさんと、自身がデザインしたウオーターリリー(スイレン)バービー=都内で

 バービーは1959年の発売開始以来、女の子の着せ替え人形の代名詞だったが、今回のデザイン展の対象は、子供用とは別のコレクターライン。鑑賞用で、デザイナーや芸能人にもコレクターは多い。東京・青山のスパイラルガーデンなどで約80体が展示された。

 発売元のマテル社によると、専属デザイナーが顔の形、肌の色、メーク、髪形まで、一体一体デザインしている。衣装は彼らが独自にデザインするほか、有名ファッションブランドとのコラボレーションも80年代から本格的に始まった。

 クリスチャン・ディオールの「ニュールック」をまとったバービーは今や伝説の一体。元々は大戦後の47年にディオール自身が発表し、物のない時代にたっぷり布を使ったスカート、ウエストをしぼったエレガントなデザインで一世を風靡(ふうび)した。97年のブランド創設50年記念に、ニュールックのバービーも発売された。

 ヴェルサーチのバービーはブランドのブティックでも販売された。スーパーモデルが同じドレスをまとってポスターやファッション誌の表紙を飾り、店ではウインドーディスプレーにこの人形を使った。

 人間の服をただ縮小しただけでは、柄やデザインの細部が分からなくなる。今回来日したバービー・デザイナーのアン・ドリスキルさんは「布地から特別に作り直し、誇張したり、際だたせたり。柄行きやカッティング、フリルなどのバランスが一番難しい」。

 「ニュールック」は帽子の微妙なくぼみにてこずり、シンプルなアルマーニは動きのない人形でも、地味にならない工夫をした。

 日本のデザイナーでは唯一、ハナエ・モリのオートクチュールドレスをまとったバービーが00年に発売された。実際にパリ・コレクションで発表された作品で、象徴であるチョウを胸元にあしらった黒の総レースに、ピンクのショールは天女をイメージしている。

 50年近いバービーの歴史からは、モード史に加え、当時の社会も見えてくる。

 発売当初は胸や腰のラインを強調。60年代にはケネディ大統領夫人にちなんだ「バブルカット」や、70年代にはベトナム反戦運動に端を発するヒッピースタイル版も出された。80年代を席巻したマドンナ風ファッション、90年代のブランドブームまで経験済み。

 服飾評論家の深井晃子さんは80年代、コレクターでもあるデザイナー、ビリー・ボーイのバービー展を訪れ、そのファッション史的な意義を実感した。

 「服はもちろん、体形やメークからも、その時代や、美しいとされた女性像がうかがえます」。ラップドレスのダイアン・フォン・ファステンバーグ版(06年発売)からは、キャスターバッグ片手に世界を飛び回るジェットセッターという女性像を見て取る。「単なる人形というより時代のアイコン。ブランドイメージを発信する媒体であり、歴史の記録係でもある」

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 一方、日本発の人形と言えばリカちゃん。やはりこれまでにコムサ・デ・モードなどとのタイアップ品を展開してきた。

 今年は発売40周年を迎え、日本のデザイナー、津森千里とのコラボドールが日仏でこの秋、同時発売された。ツモリチサトの07〜08年秋冬コレクションの中から人気の高かったドレスで、「動物たちと天女」がモチーフ。厚底サンダルをコーディネートし、オリエンタルな雰囲気の中にも現代的な「アジアン・ビューティー」を伝えている。

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