現在位置:asahi.com>ファッション&スタイル>ビューティー> 記事 ナチュラルに楽しく ミラノとパリ 08年春夏トレンド2007年10月22日 来年の春は、ナチュラルで、楽しく。9〜10月にかけて開かれた08年春夏ミラノ、パリ・コレクションでは、明るい色柄のリラックスした服が目立った。悪化する地球環境や殺伐とした現実社会への切実な関心をファッションはどう表現するのか? デザイナーたちのそんな取り組みを反映した、新しいスタイルのようだ。
多くのブランドが「ファン(楽しみ)」「ジョイフル(楽しそうな)」などをテーマに、遊園地やリゾートの雰囲気を演出したショーを開いた。薄く透ける素材やフリルを多用した、花のようにロマンチックなドレスのモデルが、軽やかに笑顔を振りまく。 ピンクや黄色、ブルーなど鮮やかな色も戻ってきた。ジュンヤ・ワタナベは前回までのハードな雰囲気から一変、カラフルで可愛らしいバルーンドレスを並べた。背景の音楽は弾むようなシュープリームスだ。 マルニは温かみのある様々な色を1枚の服に取り込み、ルイ・ヴィトンはオレンジや藤色などフェミニンで明るく澄んだ色を組み合わせた。藤原大が手がけるイッセイミヤケは掃除機メーカーのダイソンと協力。巨大なホースから出る風に軽いドレスをなびかせてほほ笑みを誘った。 柄は花や草、星など自然からのモチーフが増えた。なかでもセンスの良さを見せたのはドリス・ヴァン・ノッテン。ひとつの服に、にじんだ花や、民族的な幾何学模様、ストライプなど数種類の柄を調和させた。 服をカンバスに見立て、グラフィカルな柄を全面に描いた服も多かった。社会状況を敏感に反映させるモダンアートの手法を採り入れ、ファッションに新しいエネルギーを取り込もうという動きだ。実用的で、デザイン性も高いものを求める消費者の志向にも沿う。 グッチは黒白に黄やピンクで切れ味の良いドラマチックな柄のドレスを見せて印象的だった。ドルチェ&ガッバーナは、アーティストさながらに花やしぶきをハンドペイントした。 今季は会場に草花を植えたり、風を吹かせたり、ことさらオーガニックなムードが演出された。服のシルエットはゆるやかになり、リゾートで着るようなパジャマスーツやフレアパンツがトレンドになった。素材は、しわをつけたシルクや綿、麻など気持ちの良さそうな天然繊維が中心だ。 イヴ・サンローランは一見端正なスーツのほとんどがジャージーやスエット素材。服の形はシンプルだが、左右非対称のカットなどでシルエットは新しい。デザイナーのステファノ・ピラーティは「忙しい現代社会では、都会で着る服こそ、もっと快適であるべきではないか」と語った。 自然派トレンドの中でも注目されるのは、70年代のヒッピー風やエスニックスタイル。アフリカやインドにヒントを求めたカフタンやズアーブパンツ、サリーなどがプリミティブな力強さを感じさせた。インド風のモチーフを、トレンチコートなど、伝統的なデザインと組み合わせて極めて優雅なスタイルを見せたエルメスが特に鮮烈だった。 次の春夏のファッションは、最近になく自由で夢がある。そんな気分をいち早く採り入れるには、きれいな色や柄物を少しあしらってみてはどうだろう。ターコイズや木の玉などエスニックなアクセサリーを普段の服につけるだけで、昨日とは何かが違ってくるかもしれない。 ◇写真はすべて大原広和氏撮影 |