現在位置:asahi.com>ファッション&スタイル>ビューティー> 記事

時計感覚? メンズジュエリーがビジネスマンにも浸透

2007年11月13日

 成功の象徴か、センスの見せどころか、それとも異性へのアピールか? ダイヤモンドなどの入った本格的なメンズジュエリーがビジネスマンたちにも浸透してきた。アーティストのような一部の若い男性がアクセサリー感覚で着けるだけでなく、最近では40代を中心とする会社員らが仕事の場面でも。こだわり抜いた本物を身に着ける「時計感覚」に変化しているという。

写真

「最近は仕事の場面でも、ジュエリーが許容される雰囲気が出てきたように思います」と石田敏高さん=東京・永田町の衆議院議員会館で、鬼室黎撮影

写真

ディン・ヴァンの「チャイニーズ・パイ」シリーズのブレスレット

写真

ティファニーの「ルシダ」メンズコレクション

写真

デビアスの「バーニング・ロック」コレクションのリング

写真

ユナイテッドアローズの太田裕康さん。ブラックダイヤを用いたジュエリーをスーツに合わせて=東京の原宿本店で、鬼室黎撮影

 「願掛け、または自分に対して気合を入れるため、とでも言うのでしょうか。仕事で大事な日こそ、ジュエリーをしています」

 衆議院議員政策秘書の石田敏高さん(42)は1年ほど前から仕事でもブレスレットやリングを身につけている。ネクタイを締め、ジュエリーを着けると、不思議と身が引き締まるという。

 今ではブレスレットを5本、ネックレスやリングを各3個は持っている。ダイヤモンドやエメラルドなどの宝石が入ったものも。「以前は極端にカジュアルなものか、いかにも結婚指輪みたいなフォーマルなものかどちらか。このごろはスーツにも合う、シンプルでモダンなものがある」

 伊勢丹新宿店メンズ館では今年9月の全館リニューアルを機にメンズジュエリーを拡充、ハイジュエリーにも力を入れ始めた。

 顧客層は従来の20代中心から40〜50代にも広がった。人気商品もカジュアルでいかついデザインより、さりげなく着けられる小ぶりで宝石付きのものへ。単価も上がり、男性用ジュエリーの売り上げは2年前と比べ35%は伸びたという。

 「腕時計感覚のブレスレットが人気です。ジャケットで隠すこともできるからでしょうか」とバイヤーの成川央子さん。フランスのディン・ヴァンのブレスレット「チャイニーズ・パイ」はサルコジ大統領が着けたこともあってか、今春発売して既に230個売れた。

 同館内に開いたティファニーは同社初のメンズ専門コーナー。40代中心の男性に、ホワイトゴールドにダイヤ入りの「ルシダ」シリーズが人気だ。「男性も結婚指輪以外のジュエリーの装いが上手になり、ダイヤに抵抗がなくなっているようです」(同社広報担当)

 デビアスでも今秋、初めてメンズコレクションをスタート。ロック音楽をモチーフに、ダイヤの原石を大胆に使った。2年前、ユニセックス用に発売した「タリスマン」コレクションが40〜50代の男性に評判を呼んだのがきっかけ。古代ローマ時代は男性がつけたというダイヤのお守りをイメージしたものだ。

 「何億年もの地球のパワーをダイヤは秘めている。男性はそういう蘊蓄(うんちく)にもひかれるようです。事業に成功した方などが、記念として買っていかれます」と同社の担当者。

 とはいえ、ビジネススーツにジュエリーという姿には、まだ抵抗がある人は少なくないだろう。

 「会社員の方なら机の中にジュエリーをひとつ入れておき、仕事帰り、食事の際などに着けてみるのはどうでしょう。気持ちに変化が生まれ、その日残りの何時間かが豊かになります」

 ユナイテッドアローズの外商課長、太田裕康さんのアドバイスだ。気を付けたいのは「一点豪華主義」にならないこと。ジャケットやシャツ、時計などとのバランスが大事。ジュエリーだけが強いと、着けた人自身の印象が弱くなる。

 「これまで男性は車や時計など機械モノを、自分だけで楽しんできた。でも最近はメンズ雑誌の影響もあり、他人、特に女性にどう見られるかも意識し始めた。その表れがジュエリーなのかもしれません」

このページのトップに戻る