現在位置:asahi.com>ファッション&スタイル>ビューティー> 記事 ビジネススーツ革命 プラダ2008年01月14日 08〜09秋冬ミラノ・メンズコレクション2日目の13日は、初日に続いて冷たい雨にたたられた。メンズコレクションの時期のミラノは、秋冬物を発表する1月には欧州特有の寒さと荒天に見舞われ、春夏物の7月は酷暑が続く。「おだやかなレディースの時期がうらやましい」とメンズ専門のジャーナリストらがぼやいていた。
そんな浮かない気分を吹き飛ばすような作品を見せたのが、相変わらず革新的な作品を並べたプラダだ。基本のアイテムはビジネススーツ。色は代表的な無彩色。服の形は体に沿ってシェイプされたシャープなシングルブレストが中心なのだが、シャツの襟が二つついていたり、背中でのボタン留めになっていたり。ネクタイ代わりにただの三角布を垂らし、革靴ではなく長靴風のブーツをはかせた。フォーマルスタイルは、裸に似せたヌードカラーのセーターにフォーマル用の胸当てだけ。スーツのジャケットのうち合わせもキモノ風に少し脇に横に流れていたりする。股上のやや深いテーパードパンツの上には女性物のミニスカートがぶら下がる。 ショッキングなビジネススーツ革命。考えてみれば、社会がこれだけ近代化しているのに、男性のスーツスタイルは誕生以来、形や構成がほとんど変化していない。「未来のスーツ」という意味だろうか、モデルたちはSFの世界から訪れるかのように、会場に設置した急な坂道を下りて登場した。 アレキサンダー・マックイーンのテーマは「巡礼」。ロンドンから飛行機や車を使ってインドなどを放浪するという設定だ。マックイーンらしいサビルロー仕込みのテーラードスーツに、フリンジ付きのストールや手織りの敷物などでエスニックなモチーフを加えた。音楽は時に荘厳なお経が流れたが、フィナーレに突然ビートルズのヘイ・ジュードに変わった。日常的なスタイルの中に、失われていく人類の「遺産」や平和への危機感を込めた、メッセージ性の強いコレクション。ただ、その表現としてのエスニックの差し込み方が奇抜過ぎたせいか、いつもの説得力には欠けた感じもした。 ニール・バレットはフォーマルとスポーツ、ロックの要素をミックスしてバレット風のシャープなスタイルに落とし込んだ。チョウネクタイを締めたドレスシャツに、ジッパー付きのスキーパンツを合わせた。 ジャンフランコ・フェレは、昨年亡くなった創始者に代わって、ラース・ニルソンによる初めてのコレクション。ニルソンはこれまでニナ・リッチで繊細で可愛らしい女性物を発表していた。そんな細やかさや甘さが、シンプルなメンズスーツの肩やシルエットにも宿っている。 エンポリオ・アルマーニは、ぼたん雪が降り落ちる映像演出を背景に、スキーウエアをモチーフにしたスポーティーなスタイルをそろえた。 サルヴァトーレ・フェラガモは、ベルリンがテーマ。モノトーンのスーツやビッグコートを中心に、上質素材と布の分量の微妙な変化で見せるリアルクローズが並んだ。(編集委員・高橋牧子、写真は大原広和氏撮影) この記事の関連情報注目アイテムPick UP - ゆとりのあるライフスタイル asahi.com SHOPPING
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