現在位置:asahi.com>ファッション&スタイル>ビューティー> 記事 重ね着のヒントは積み木から マルニ2008年01月16日 08〜09年秋冬ミラノ・メンズコレクション最終日の15日。マルニのショーを見て、男性の服のデザインの可能性は、実はまだまだ限りがないのかもしれないと感じた。
マルニは積み木からヒントを得て、丈やシェイプの違う服を重ね着して、グラフィカルなシルエットを作った。たとえば、セーターやテーラードジャケットの上から、洗濯で縮んでしまったような半袖セーターを重ねて対比を作る。テーラードジャケットは、時に前ではなく後ろに打ち合わせがあるブラウスのような構造で、背中の開き具合で幾何学的なラインを出した。色は黒やグレーの無彩色。「開拓者」のイメージがあるニール・ヤングの音楽を背景に、何げなくクリーンな日常着にまとめて新鮮だった。 しかし、こうしたアイデアはメンズではあまり見られなかったのだろうが、レディースではとっくの昔に使われている。プラダが見せたネクタイ代わりの布片や、ボッテガ・ヴェネタのパフスリーブのような肩のテーラードジャケットにしても、レディースでは当たり前のテクニック。 女性的な服への考え方や手法を男性の服に取り入れたことは、80年代のジャンポール・ゴルチエを筆頭にするアンドロジナス(両性具有)の傾向にもあった。今回は、男性のビジネススーツやフォーマルスーツなど「オン」の服に取り入れられていて、しかも、中性的ではなく、男っぽく表現されているのが面白い。 マルニの手法はレイアード。ほかにトレンドのスタイルとして「英国調」や「スキーウエア」、「80年代」などが現れている。 D&Gはタータンチェックのジャケットやシャツを中心に、ルーズパンツやつぎはぎのムートンコートなど若々しいアイテムと組み合わせながらもシックに見せた。 ディースクエアードはステージに雪の降りつもるロッジをしつらえ、デニムスタイルにスキーウエアやパンクの要素をミックス。 生のじゃがいもが入った招待状を送ってきたエトロは、会場にキャベツやニンジンなどの大きな野菜畑を設置。野菜や土など自然界の微妙な深みのある色を重ねて、自然への賛歌とした。 ジョルジオ・アルマーニは「リーガル(威厳のある)」をテーマに、紳士服の正統派スタイルをゴージャスに、現代的にデザインした。華麗なビロードのジャケットには、ドレスシャツ代わりにタートルネックのサテンのプルオーバーが合わされた。 また、アルマーニは4月、男性用のスキンケア商品を発売すると発表し、ショー会場脇でお披露目した。(編集委員・高橋牧子、写真は大原広和氏撮影) |