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前衛的なクラシックスーツ プラダ

2008年02月20日

 08〜09年秋冬ミラノ・コレクション4日目、19日の目玉はプラダのショーだった。プラダは、作品が良くても悪くてもきまって話題になる、ミラノでは数少ないブランドのひとつだ。ショーはいつもバイヤーとジャーナリスト向けに分かれて二回続く。ショーを入り口で待ちながら、初回を見終わったバイヤーたちの表情からそのシーズンの出来栄えをよく占う。今回は、多くのバイヤーの顔が明るかった。予想通り、実際に作品も際立ってさえていた。

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プラダ(08〜09年秋冬ミラノコレクション)

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ボッテガ・ヴエネタ(08〜09年秋冬ミラノコレクション)

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サルヴァトーレ・フェラガモ(08〜09年秋冬ミラノコレクション)

 ランウェイは1月のメンズコレクションと同じ宇宙船のタラップのような急斜面の坂。ショーの冒頭は、ほっそりと長い30年代調の黒のタイトスカートスーツ。遠くから見るとベーシックなクラシックスーツなのだが、近くに寄ると違った。

 素材はテーラードジャケット風のウールなのに、上着は後ろ留めのブラウス型で、リボンの現代アートのようなフリルが肩で波打っている。ブラウスの首元から見えるヌードカラーのシャツ襟も不思議な存在感を与える。

 スリーディー効果のある切り替えや織りで体を浮き上がらせて見せたボディードレスや、レースのモチーフを立体的に張り付けたドレスもある。どの服も上品で普通っぽい顔をしながら、実はかなり前衛的なのだ。

 男性の服の代表ともいえる青いビジネスシャツと、女性性の象徴と考えられる黒いレースのスカートを合わせて、対比する。素材やメークから漂うイメージは未来的で硬質なのに、生々しい色っぽさが漂ってくる。

 ボッテガ・ヴエネタはいつも通り取り立てて派手ではないが、極上の素材と仕立てに洗練された現代性を加えて見せる。今シーズンは、それにロマンチックなムードをまとわせた。ダークレッドやムーンライトグレーなどくすんだフェミニンな色や、人の手による微妙な加減のドレープが、服に詩的な魅力を添えた。靴やバッグ、手袋まで服とおそろいのシックなダークカラー。

 新デザイナーにクリスティーナ・オルティスを迎えて、再出発したサルヴァトーレ・フェラガモ。これまでのラグジュアリーなマダム風のテーストから、オルティスの持ち味を生かしたシャープなシティースタイルにがらりと変わった。中心カラーはウインターホワイト。シンプルなジャージードレスやカシミヤのAラインコートなどほとんどの作品にメタルをアクセントに取り入れて、ロックのスパイスを加えた。

 観客席にはミラノ・スカラ座のスターダンサー、ロベルト・ボッレ氏が現れ、盛んにカメラのフラッシュを浴びていた。ボッレは写真家マリオ・テスティーノが撮り下ろすフェラガモの秋冬広告キャンペーンに起用されているという。

(編集委員・高橋牧子、写真は大原広和氏写す)

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