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バルーン型シルエットで魅了 スズキ・タカユキ、イランイラン

2008年03月13日

 今回のコレクションで目に付くのが、ボリューム感のあるスカート。張りのあるチュール素材を幾重にも重ねバレエのチュチュのように見せたり、パニエと呼ばれるアンダーウエアをスカートの下に身に着け、腰から裾に向かって釣り鐘型の膨らみあるラインを作ったり。コレクション3日目の注目ブランド、「スズキ・タカユキ」、「イラン・イラン」でも、その傾向は顕著だった。

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スズキ・タカユキ(08〜09年秋冬東京コレクション)

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イラン・イラン(08〜09年秋冬東京コレクション)

 「スズキ」は、バルーン(風船)型だが、裾の近くに若干尖った膨らみを持たせた独特のシルエットを今回のメーンに据えた。欧米の家庭でカーテンやクッションにも用いられそうな、重量感あるウール・ジャカードを用い、従来のギャザーを寄せる方法ではなく、パターンを取ってドレスやスカートを流線形に仕上げた。丁寧な縫製や「一点ものの服作り」を追求する彼らしく、仕立ての良さが伝わってくる。

 新鮮な形なのに、温かみある生地のせいかどこかノスタルジックで、ほっこりとした優しさも感じさせる。テーマは「フェアウェル(さよなら)」とパンフレットにあるのに、ショー冒頭で流れた50、60年代アメリカ風の映像といい、会場に懐かしい雰囲気が流れているのはどうして?

 「別れの場面ではあるのだけれど、誰かをしのんで何年も会っていなかった友人や親族が集まり、どこかしら懐かしさが漂う空間を想定しました。かしこまったシーンでも、親しい間柄だけに、どんな服を着て行くのかなと」。デザイナーのスズキは話す。どうりで、あのマックの薄いパソコンのCMで流れている懐かしい感じの曲が、今回のBGMとしてぴったりだったのにも納得。

 一方、「イラン」の今回のテーマは「ミクロコスモス(小宇宙)」。黒光りする床と天井に瞬く星という会場設定の中、バルトーク作の練習曲集、その名もずばり「ミクロコスモス」の生演奏が流れる。

 星座をモチーフにしたエレガントなパーティードレス満載で、いつにもましてクラシックな趣だ。12星座のマークをモノグラム状にプリントしたフリルのロングドレスや、いて座をかたどった矢印をトラップにあしらったドレスに、客席の女性から「絶対買う!」などとのつぶやきが漏れた。

 デザイナーの青柳龍之亮は「星座を気にかけたり、占いで気分が変わったりする女性独特な考え方を表現した」と語る。一方、ここでも丸くふんわりとしたシルエットが繰り返し提案されていた。「今回はたっぷりと広がったシルエットで、女性の柔らかいフォルムをかなり誇張してみました。12星座のシンボルマークを見ると、どことなく丸いのにも合うので」

 ちなみに今回、丸みを帯びた形にはしにくいと、さそり座やうお座はモチーフにはしなかったとか。(柏木友紀)

◇写真は大原広和氏撮影

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