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強い幻想性、ロマンへ導く 08年秋冬・東京コレクション

2008年03月24日

 まるでおとぎ話か演劇か――。7日にわたった08年秋冬・東京コレクション・ウィークが16日、閉幕した。テーマ性の強いファンタジックな世界観が打ち出され、いつになくロマンチックな方向へ。テーラリング・タッチとの融合や、独自素材を駆使したエコ志向という二つの芽も見て取れた。官民タッグによる「東京発日本ファッション・ウィーク(JFW)」も6回目。若手デザイナーの「みずみずしさ」が、最大の産物にも思えた。

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ソマルタ

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シアタープロダクツ

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ミントデザインズ

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ゼチア

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ヒース

 設定が明快な劇場型ショーは特徴のひとつだ。「寒い国に住む民族」をテーマにしたソマルタでは、深い森の映像の中、白一色の世界が訪れた。氷の妖精を思わせるシルバーのメーク、髪にはティアラ。フィットする無縫製ニットにラメで植物や鳥を描き、光を利用した新素材の白いワンピースには氷や雪の結晶形の反射板をあしらった。統一感があり、服への思いを伝える役割を果たしていた。

 シアタープロダクツは、モデルたちがショーの中でカタログ写真撮影を行う、劇中劇の展開。「シンディ・ローパー」をテーマにした、80年代のポップでキッチュな装いが鮮烈だ。ピンクや黒の水玉やアルファベット柄をモチーフに、左右バラバラの靴、胸にはたくさんの缶バッジと、可愛らしいアイテムをちょっぴり反抗的に採り入れた。

 バレエのチュチュのようにふんわりとボリューム感あるシルエットも、今回のロマンチック志向を表す。スズキ・タカユキは、イチジクか釣り鐘のようなラインを軸に展開。宇宙をモチーフにしたイランイランもエレガントなパーティードレスで、空気感ある造形を提案した。

 パリやミラノでも見られる自然回帰の志向は、東京でも芽吹いた。「ゴミ」を服にしてしまったのはミントデザインズ。雑誌などをシュレッダーにかけた細かい紙くずが、裾(すそ)から袖からポケットからのぞく。髪にも鳥の巣よろしくこんもり。デザイナーは「情報が書かれた紙はゴミになる。情報化の今、服としてよみがえらせたかった」。

 ゼチアはショーの最後に「リサイクチュール」と題して古着再生の試みを披露。小池百合子・元環境相が初登院の時に着た緑のスーツを、残布と組み合わせたドレスを発表した。

 「フォレスト」をコンセプトに、初秋から厳冬期まで移ろいゆく深い森の風情を、色彩の変化で見せたヒロミ・ヨシダ。「森が出す酸素によって生かされていることに感謝を込めた」という。リツコ・シラハマもペットボトルの再生綿を素材に用いた。

 一方、初登場の3ブランドが掲げたのがメンズのテーラードテイストとエレガンスの融合。いずれも欧州の名門ファッションスクールで学んだ経験を随所に生かしている。

 ヒースはジェントルなストリート風。黒やグレーを基調に、形はシンプルだが首周りにダウンを入れたTシャツや、ラメ入りツイードのダウンジャケットなどをさりげなく採り入れ、陰影豊かに仕上げた。

 開幕を飾ったヒデノブ・ヤスイは、メンズのピークトラペル(剣襟)をアイコン化。レディースの量感たっぷりのドレスやコートに「飾り」としてあしらった。

 ゲーム「ファイナルファンタジー」からヒントを得て「おタク系可愛らしさを追求」したというモトナリ・オノは、レースやフリルを多用したミニに、かっちりした背広風ジャケットを合わせ、テーラードテイストを薫らせた。

◇写真はいずれも大原広和氏撮影

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