ランバン
マックスマーラ
ジャンバティスタ・ヴァリ=パリ、大原広和氏撮影
ハイダー・アッカーマン=パリ、大原広和氏撮影
ウエディング用の「ヌーブラ」
もうすぐジューンブライドの季節。花嫁のドレスといえば、かつてはお姫様風の派手なクリノリンスタイルが主流だったが、結婚年齢の上昇やスタイルの変化から、最近はシンプルで大人感覚のデザインも多い。ありきたりを嫌う層も増え、デザイナーブランドが手がけるモードっぽいドレスも増えている。(編集委員・高橋牧子)
クールに見せるには、トレンチ型。太陽の下での披露宴ならカフタン風。ランバンが今春発売したウエディングドレスのラインは、様々な女性や場面に似合いそうで、チャーミング。ネックレスを刺繍(ししゅう)したチュールのドレスや、雲のようにふんわりとしたバルーンドレスなど16型がそろう。
価格は約50万〜140万円。デザイナーのアルベール・エルバスが過去のパリ・コレクションの作品から選び、色を白に変えたり、花嫁らしいディテールを加えたりする。エルバスが親しい友人の頼みでこっそり作っていたが、注文が増えたのだという。広報担当者は「ガーデンパーティーで映えるなどと好評」と語る。
マックスマーラはイタリアで昨年発売したブライダルコレクションを、日本で3月に売り出した。シルクタフタやレースなど素材は豪華だが、デザインはシンプルで上品。大人が気負わずに着られそう。6型で、価格は20万〜30万円台。
伊勢丹はヴォーグ誌と組んで「モード・ウエディング」がテーマの催しを4月に開催。人気デザイナーの特製ドレスを展示販売した。白い花飾りが咲き乱れるマーク・ジェイコブスのロマンチックなドレス(126万円)など。「値段が高いためか受注は少ないが、試着希望は多かった。花嫁衣装にもファッション性を求める層の広がりを感じた」と広報担当。
スワロフスキーのブランド、クリスタライズは1月、パリでウエディングドレス展を開いた。ジョン・ガリアーノやジャンバティスタ・ヴァリら約100人のデザイナーが、同社のクリスタルを使って仕立てた。一枚のベールをそのままドレス風に見せたハイダー・アッカーマンは「結婚形態も式も昔より自由なのだから、ドレスももっと自由でいい」と述べた。同じ催しは7月に東京でもある。
一方、胸の開いた大人っぽいドレスを着る女性が増えて、ヌーブラはウエディング用の白いブラジャーを作った。かがんだ時も上品な下着がのぞき、コルセットより窮屈でないという。
おしゃれなドレスの背景には、自分のテイストにかなう挙式や披露宴をする人が多い、最近の傾向があるようだ。セレブリティの結婚がメディアで大きく報じられ、その影響からか、ありきたりを嫌う人が増えているという声もある。
厚生労働省の人口動態統計によると、日本女性の06年の平均婚姻年齢は29.6歳で、10年前より2.1歳、20年前から3.1歳上昇。女性の再婚の数は20年前の1.6倍に増えた。
そういえば、ランバンのエルバスはこう語っていた。「若くも細くもないのに結婚式に何を着ればいいかと聞いてきたある女性は、8度目の結婚だった。デザイナーとしてなんとかしなきゃと思ったんです」