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今年の浴衣はモダンでレトロ

2008年6月16日

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写真イーリー・キシモトのプリントの浴衣を着る西村兄妹キモノ店のヒロカズ、MIZUHO兄妹=京都市、上田潤撮影 ※写真をクリックすると拡大します 写真ミヤケマイがデザインした「イバラの檻(おり)」はちらりと見えるレースがフェミニンな印象=林正樹撮影 ※写真をクリックすると拡大します 写真「秋を先取りしてハギをモチーフにした」と上代円。ぼかしを入れて、ちょっぴり華やいだ雰囲気に ※写真をクリックすると拡大します 写真名古屋の有松絞の浴衣と博多帯

 浴衣をおしゃれな街着のように着こなす人が増えている。デザイナーやアーティストが手がける浴衣は、色も柄も小粋でモダン。でも、染めや生地にこだわることで、レトロな雰囲気をほんのり漂わせる。ひと味違った、夏の装いを楽しめそうだ。(青山祥子)

 一見インパクトのある柄なのに、着てみるとポップでキュート。ロンドンが拠点のブランド、イーリー・キシモトと京都の呉服店の兄妹が営む「西村兄妹キモノ店」が、今夏に向けて発表した新感覚の浴衣だ。

 テキスタイルに定評のあるイーリー・キシモトの代表的なプリントを使用。染めは京都の職人、縫製はベトナム、と手作業にこだわった。「職人さんに、この色で本当に大丈夫かと聞かれたけれど、年配の顧客にも好評」と西村兄妹キモノ店。「伝統と現代は調和すると確信している」とイーリー・キシモト。秋に共同で着物も発表する予定だ。

 新進画家ミヤケマイは飛行機や入道雲を描いた浴衣に、エアメール柄の帯をコーディネート。また古典柄の立涌をバラのツルに見立てた浴衣は「オリにとらわれているイメージ」だそう。仏産リネンを織り込んだ生地で、レースの半襟と合わせると、甘さの中に、ちょっぴりシュールな感覚が。「現代は美術が生活から切り離されている。自作を着てもらえるのは楽しみです」

 「ポワソンドール」は、今年できた新しい浴衣ブランド。着物雑貨ウェブショップ「注文の多いキモノ店」(http://www.kimonoten.com)を運営する上代円(かじろ・まどか)とイラストレーターのハセガワ・アヤの女性2人で始めた。

 上代のデザインは、花びらのように揺れる金魚の尾ひれ、大きくあしらったハギなど、すっきりと涼しげだ。ハセガワの方は、昭和初期の着物柄をアレンジした猫のシルエットの柄などでレトロモダン調。

 2人で型紙を彫り、東京・葛飾の職人に「注染(ちゅうせん)」と呼ぶ染め方を頼んだ。染料が浸透する染め方なので、深い色で味わいがある。「和装は模様にも意味がある。新鮮でかわいらしく、でも基本は押さえて、『若いのにやるわね』とうなずかせたい」。上代は言う。

 今夏は伝統的な生地や柄を生かした浴衣が充実。帯や小物を上手に合わせると外出着にぴったり。着物感覚で着られる、と注目を集める。

 高島屋は伝統技法にこだわった浴衣をそろえた。小千谷縮は「しぼ」と呼ぶ波状の凹凸が特徴。肌に張り付かず、麻のさらりとした感触が高まって心地良い。アイロンが不要なので手入れも簡単だ。太さの違う糸を使い、格子状の織り模様がある絹紅梅や綿紅梅は、独特の透け感が涼を誘う。落ち着いた有松絞は、博多帯と合わせると上品だ。

 「本来は不要な帯締めや帯留め、レースの半襟や足袋などでおしゃれしてゲタを舟形(ふながた)にすると、浴衣を着る場面が広がります」と日本橋店のバイヤー。

 和装人気で好調だった浴衣市場は、ブームの一巡に加え、安価な商品が出回って、ここ2年ほど頭打ち。そこですでに何着か持つ30〜40代向けに高価格帯を強化する動きが目立つ。

 オンワード樫山は古典柄が主体の「染橘香(そめきっこう)」を本格展開。老舗(しにせ)と組んで、江戸友禅の色調の再現や、昭和初期の浴衣の人気柄を復元している。

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