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下町のゴム靴工場、女心つかむ 手作り雨靴が大人気

2008年7月8日

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写真全面プリント柄のレインブーツを検品する森谷英司社長=東京都葛飾区立石8丁目のウッドヴァリ写真ウッドヴァリが作ったパンプス型のレインシューズ(上)=東京都中央区のバーニーズ・ニューヨーク銀座店

 雨の日でも足元のおしゃれを楽しもうと、カラフルなプリントやリボンで飾られた女性用のレインシューズやゴム製ブーツが人気だ。製作は、都内唯一のゴム靴工場という葛飾区の「ウッドヴァリ」。安価な輸入品に押されるなか、強みは手作り。東京・銀座の高級衣料専門店でも飛ぶように売れている。

 銀座の「バーニーズ・ニューヨーク」。女性靴コーナーには、1万〜2万円する細身のブーツ型やヒール付きのパンプス型のゴム靴が並ぶ。ウッドヴァリがメーカーから受注して作ったレインシューズは人気商品の一つで、1足1万9950円だが、在庫は完売し、追加発注したという。

 バーニーズ社の中野光章・PRマネジャー(35)は「デザイン性と機能性を兼ね備えている」と評価する。

 ウッドヴァリは、56年に森谷昇会長(83)が創業。防水目的で、すぐに脱ぎ履きできる太いタイプの女性用ゴム靴を作ってきた。当時は都内にゴム靴製造業者は36社あったが、「今では工場はうちだけ」(森谷会長)。全国でもわずかという。最近は安い中国製品に押され、廃業も考えていた。

 転機は06年秋だった。大手アパレルメーカーから全面プリントのゴム長靴を受注。直径5センチほどのマークはブーツに印刷していたが、全面プリントは未経験だった。溶剤の具合で、模様がはがれるなど、プリントには微妙な技術が求められる。大型の転写シールを作り、要求に応えた。

 森谷英司社長(46)は「転写シールは一枚の絵だった。その絵を壊さないようにブーツに張り付けるため、苦労した」と話す。手作業のなせる技だった。

 出来上がったブーツは評判を呼んだ。別のメーカーからも問い合わせが相次ぎ、同社は今、フル稼働中だ。約100坪の工場内では午前9時から午後6時まで、19人の職人がゴムを手作業で伸ばし、1足ずつ仕上げる。1日200足が限界だという。11月まで注文でいっぱいという。

 型に流し込むのではなく、パーツごとに組み合わせる革靴の製法を取り入れ、パンプス型のゴム靴も作り始めた。履きやすさが人気で、生産の4分の3を占める。

 森谷会長は「うちの強みは問屋さんの意向を細かく反映できること。今後もいろんな注文が来ると思うが、既存の製法にこだわらず、いいものを作っていきたい」と話す。(峯俊一平)

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