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米国人エディターと歩く ハラジュク脈絡ない魅力

2008年7月14日

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写真h.NAOTOの廣岡直人さん

 東京・原宿のストリートファッションに注目した本が昨年末、米国で出版された。著者は東京在住の米国人ティファニー・ゴドイさん。「ハラジュク」を世界が注目する「最新スタイルの震源地」と位置づけるゴドイさんと、08年夏の原宿を歩いた。(西岡一正)

 午前9時半。夏の光にあふれる「SHIMA」原宿店で、奈良裕也店長が迎えてくれた。ゴドイさんがファッションアイコン(象徴)に挙げたヘアスタイリスト。「彼のスタイルがトレンドのきっかけになることもある」という。奈良さんは撮影のヘアメークなどでも活躍するが、店での仕事も続ける。「原宿は情報が速いし、いろんな業界の人がひしめいている。それが刺激的なんです」

 6月下旬に開店した「ザ・コンテンポラリー・フィックス」は「ゲリラショップ」を自称。期間限定の店舗やギャラリーとして活用していくという。19日からは人気ブランド、マスターマインド・ジャパンを扱う。ゴドイさんは「表参道や青山がブランド店であふれる中で、ルールのない自由な店という原宿のスピリットを受け継いでいる」。

 紹介が遅れたが、ゴドイさんは74年ロサンゼルス生まれ。日本人のファッションに関心を持ち、97年に来日。ファッション雑誌編集者などをへてフリー。原宿ファッションを10年間、外国人として内側から見つめるという、まれな経験をもとに初の著書をまとめた。

 ゴドイさんが次の本のテーマに選んだのがゴスロリ。代表的ブランドのh.NAOTO(エイチ・ナオト)は00年スタート。ビジュアル系バンド人気とともに広がり、現在は全国で19店舗を展開する。デザイナー廣岡直人さんは「ゴスロリはサブカルチャー視されがちだが、実際に着ている人たちにとってはリアルクローズなのです」と話す。

 個性的な店にファンが集まり、コミュニティーができるのも原宿の特徴。例えば、オーナーのマリさん自らが「クローゼットのように小さな店」という「ファリーン・トーキョー」。インポートを中心とした品ぞろえとともに、「ゴッドマザーのようなマリさんの人柄が原宿キッズを引きつけている」とゴドイさん。

 海外の古着を中心とした「OTOE(オトエ)」では、店員と顔なじみのカップルが買い物を楽しんでいた。インテリアは動物の剥製(はくせい)などを配した博物館風。ゴドイさんは「コンセプトのある店づくりがすごく日本的です」。革製品を手作りする「ゴローズ」は、70年代初頭からずっと同じ場所で営業する。根強いファンが多く、3世代にわたって通う例もあるという。

 日が傾いたころ、ペルー出身のガレルミックさんとその仲間たちが現れた。東京のクラブの様子やファッションを紹介するブログ「TFR(thefashionramone)」を中心に「ファッションを通じた自己表現」を続ける。ブログは日・英・スペインの3カ国語。海外からの書き込みも多い。

 ゴドイさんは著書に「Style Deficit Disorder」というタイトルを付けた。「注意欠陥障害」を意味する英語からの造語で、あえて訳せば「スタイル欠陥障害」か。ファッションが若者文化と混交し、様々なスタイルが脈絡なく、めまぐるしく入れ替わっていく――。そんなハラジュクを垣間見た一日だった。

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