クラシックなスーツ(クリスチャン・ディオール)
写真左:秋冬も注目のレース(プラダ)/写真右:彫刻的なシルエット(ジル・サンダー)
写真左:英国調のタータンチェック(D&G)/写真右:ツイードのドレス(ユキ・トリイ)
ボヘミアンスタイル(グッチ)
残暑はまだ厳しいが、そろそろ秋のファッションプランを考え始める人も多いはず。今秋は、トレンドの変わり目。春夏までの華やかな少女風から一転、気品と大人っぽさが漂う淑女スタイルが注目されそう。世界経済が失速する中、やや地味だが、服の形や素材にロマンを感じさせる装いが多く現れている。(編集委員・高橋牧子 写真・大原広和氏)
まず色では、落ち着いた汎用性のあるグレーや黒、茶などが復活しそうだ。ひざ丈タイトスカートのスーツなど、今シーズンに目立つ、古い洋画に出てくるようなクラシックな服によく似合う。
といっても、素材には要注意。透けるレースや部分使いのファーなどで、控えめな甘さが加わっているのがポイントだ。甘さのある柔らかい素材は、着心地の良さにもつながる。うまく選べば、お気に入りとして長く大事に着られそうな服が増えている。
スタイルの大きなトレンドは三つ。一つ目は、きちんとした淑女風の正統派クラシック。ウエストを絞った上品なスーツや、ひざ丈ドレスが代表的だ。
08年秋冬コレクションでクリスチャン・ディオールは、ブランドの過去の作品から着想した60年代スタイルをずらりと並べた。プラダは、黒やベージュのレースをふんだんに使ったフェミニンな細身スーツ。意欲的な新フォルムに挑戦したルイ・ヴィトンやイヴ・サンローランの服も、一見すると端正でクラシックに見える。
かっちりとしたジャケットが日本でも久しぶりに戻ってきそうだ。素材は軽めのツイードやウール。丈の長いタイプを手持ちのミニドレスに羽織るだけでも、今年らしくなりそう。
二つ目のトレンドは、英国調。特にタータンチェックが注目されている。D&Gは、新作のほとんどをチェック柄でまとめた。「消費者からの問い合わせが多くて、びっくりするほど」と同社。10誌以上ものファッション雑誌から「表紙に使いたい」と撮影依頼が来たという。渋谷109や都心の駅ビルなど、流行に敏感な店では、すでにたくさんのチェックの服が並んでいる。
三つ目は、ボヘミアンスタイルだ。春夏は小花柄などのハッピーな感じのフォークロア調が人気だったが、秋冬ではダークなペイズリー柄など重厚な感覚に変わった。刺繍(ししゅう)をちりばめたルバシカや、ファー付きのロシア風コートを見せたグッチが印象的だった。
全体としては控えめなデザインの服が多いので、小物のコーディネートでアクセントをつけることが大切。シルクの柄物スカーフや大きなネックレス、ファー使いのバッグなどで少し華やかさを加味したい。
といっても、やり過ぎは禁物。なるべくならタイツや靴、手袋などの小物を服と同じ色でそろえると、品のある、レディーのスタイルが出来上がる。