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本物じっくり吟味 ブランドショップも自分磨きの場に

2009年1月13日

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写真拡大阪急百貨店メンズ館の「トム・フォード」=大阪市北区、伊ケ崎忍撮影

写真拡大和光本館の婦人服オーダーサロン=東京都中央区、石野明子撮影

写真拡大ルイ・ヴィトン表参道店の店内=東京都渋谷区、安藤由華撮影

 明るい話題が少ない年明け。おしゃれへの出費もためらわれるムードだが、こんな時こそ、本物をじっくりと吟味して選びたい。一見、かなり値は張る。だが、結果的にはリーズナブル。納得できるぜいたくには、根強い支持がある。(菅野俊秀)

 東京・青山の高級マンションの一室で昨秋、完全予約制でひっそりと開かれたトム・フォードの展示会。新作が並ぶ部屋に、奥からシャープなスーツ姿のモデルが現れた。今月公開の映画「007/慰めの報酬」で主演のダニエル・クレイグが着たのと同じものだ。

 グッチのクリエーティブディレクターとして一時代を築いたフォードが07年、米ニューヨークに旗艦店を開いて立ち上げた自身のメンズブランド。日本では大阪・梅田の阪急百貨店メンズ館に店がある。基本コンセプトはニューヨーク店と同じ、ラグジュアリーかつパーソナル。フォードの自邸に招かれたような気分でゆったりと服を選べる。

 クラシックな意匠でありながら洗練されたシルエット。イタリアの職人が仕立てる上着の肩は、張りすぎず柔らかすぎない。スーツは40万円台後半から80万円、コートは100万円以上が普通に並ぶ。

 例えば200万円の新車と上質な50万円のスーツ、維持費や使用頻度を比べれば、どちらが得なのか。その解は、開店10カ月の売り上げが計画比で約170%という結果が示す。

 同百貨店の武田肇インターナショナル商品統括部長は「モダンだが10年後も着られる、時代に迎合しないトム・フォードらしさが支持されている。マスを相手にした売り上げ至上主義ではもうだめ。本当の本物しか生き残れない」と話す。

■服作りを楽しむ

 昨年11月にリニューアルした東京・銀座の和光本館。3階の婦人服売り場に、広い仮縫い室を備えたオーダーサロンがあることは意外と知られていない。

 デザイナー2人が交代で控え、顧客の要望を時間をかけて聞きながら、作りたい服のイメージをデザイン画にしてくれる。

 例えば「このベルトにあうワンピースが欲しい」「このジュエリーが映える服を」といった注文から、服作りは始まる。生地は日本、英国、イタリアなど国内外の約200種類を常備、そのほか注文に応じて取り寄せる。

 採寸から仮縫いまでが2週間から約1カ月、さらに約1カ月で完成する。

 「何度か来店しながら、世界で1着しかない服を作り上げていく過程そのものを楽しまれる方が多い」と担当者。価格は生地やアイテムによっても違うが、仕立て代込みで30万円台から。自分だけにあつらえるぜいたくを考えれば、欧米の高級プレタポルテに比べて決して高くはない。リピーターが多いという。

■自分を磨く場に

 ルイ・ヴィトンも、専門性とラグジュアリーな雰囲気を兼ね備えた店づくりに力を入れている。

 昨年11月、表参道店の5階をメンズ専用フロアとして新装。1階正面入り口脇の専用エレベーターで直行できるようにした。

 ルイ・ヴィトンのシガーボックスの木目を基調に、遊び心のある男の居住空間をイメージしたという吹き抜けのフロアには、特注のテーブルフットボールやワインセラーがあり、試着室にはやはり特注のボクシンググローブやサッカーボールが無造作にぶら下がる。

 ルイ・ヴィトンジャパンの中村浩章ヴァイスプレジデントは「フェミニンなイメージのルイ・ヴィトンは、まだまだメンズで開拓の余地がある。他店との差別化の意味でも独立した空間が必要だった」と語る。

 反応は上々。客の滞在時間も長くなり、同店限定で用意した15万円から20万円前後のニットやブルゾンが好調なほか、並び始めた春物の出足も速いという。

 同店の服部堅一郎さんは「商品はもちろん、雰囲気とサービスを大事にしたい。ジムで身体を鍛えるように、自分を磨く場所にしてほしい」と話している。

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