現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. ファッション&スタイル
  4. ビューティー
  5. 記事

紳士服、薄く軽く快適に ピッティ・ウオモ10年春夏

2009年7月6日12時8分

写真:初出展したブルックスブラザーズ。襟、ネクタイともに同社の従来モデルよりも幅が狭い現代的なスーツ=佐田美津也氏撮影拡大初出展したブルックスブラザーズ。襟、ネクタイともに同社の従来モデルよりも幅が狭い現代的なスーツ=佐田美津也氏撮影

写真:マーロのニットジャケット=佐田美津也氏撮影拡大マーロのニットジャケット=佐田美津也氏撮影

写真:トンボリーニもカジュアルラインを強化。柔らかいジャケットをそろえた=佐田美津也氏撮影拡大トンボリーニもカジュアルラインを強化。柔らかいジャケットをそろえた=佐田美津也氏撮影

写真:クルチアーニのジャケットカーディガン=佐田美津也氏撮影
拡大クルチアーニのジャケットカーディガン=佐田美津也氏撮影

写真:アンダーカバー拡大アンダーカバー

写真:アンダーカバー拡大アンダーカバー

 上質な素材は薄く軽く、楽に着られるけれど、決してラフではない――。地球温暖化の中で脱スーツ・脱ネクタイの流れが進む一方で、世界的な不況下でも着こなしはこざっぱりといきたい。イタリア・フィレンツェで開かれた世界有数の紳士服展示会、10年春夏のピッティ・ウオモでは、そうした傾向が見て取れた。(菅野俊秀)

 ルネサンス時代の遺構、バッソ城塞(じょうさい)を会場に今回は約890ブランドが出展。6月16日からの4日間で、前回より5千人少ない約3万人が来場した。

 まず目を引いたのは、ブルックスブラザーズの初出展だ。メーン館の正面入り口にブースを構え、バラク・オバマ大統領ら歴代の著名顧客の大きな写真パネルを掲げた。米国を代表する紳士服ブランドが、欧州ブランドが並み居る中に乗り込んだ意気込みがのぞく。

 スーツに加えて、ポロシャツやジャージー素材のブルゾンなど、明るい色使いのカジュアルな服を多く並べた。同社のオルランド・ジロメッリさんは「欧州に力を入れる上でピッティはとても重要だ。よりフレッシュなアイテムを出していきたい」という。

 トレンドのひとつは、ニットのジャケット。メーン館の中央に陣取ったクルチアーニのジャケットカーディガンは、滑らかな手触りのカシミアで薄く軽い。同社のモニカ・カロッツィさんは「タフな時代だからといって、だらしない格好はできない。エレガントで、現代が求める快適さを合わせもつニットです」。

 しばらく出展していなかったアレグリやマーロが復帰したことも、ピッティにとっては明るい話題だった。そのマーロのブースで3体のマネキンが着ていたのはやはり、ソフトな風合いのニットジャケットだ。

 トンボリーニは、かっちりとしたジャケットやスーツスタイルが得意だが、今回はカジュアルラインを大きく広げた。フィオレラ・トンボリーニ社長は「自社工場によるメード・イン・イタリーにこだわって、カジュアルかつシックなラインを強化したい」。

 ローマの仕立職人ルイジ・ガッロさん(65)は「紳士服の世界的な潮流が、ピッティに来れば分かる」。その大きな潮流が素材や仕立てにこだわったシックな軽装化。ガッロさんの工房でも重さ300グラムの超軽量ジャケットを開発、既に50着以上の注文が入ったという。仕立職人の養成学校も主宰するガッロさんは「温暖化もあり、この流れは今後も続くでしょう。匠の技を継承しながら、時代の要請にどう応えるか。私たちにとっても挑戦です」と話していた。

■ミニマムな要素追求 アンダーカバー初参加

 今回のピッティ・ウオモにはアンダーカバーの高橋盾がゲストデザイナーとして参加し、イタリアで初のショーを開いて話題を呼んだ。市内のボボリ公園の池の周りをランウエーに、まだ明るい午後9時過ぎから始まったショーには600人以上が詰めかけた。

 ドイツの工業デザイナー、ディーター・ラムスのデザイン哲学「Less but better」(より少なく、だが、より良く)から触発されたコレクションは、服が人に着られる時に必要な要素を突き詰めた服。部分的なメッシュ加工やレザーなど異素材での切り返しなど、アクセントも利かせた。

 レディースではショーをやめた高橋は「メンズではカタログ的に見せる手法として、ショーも有効だと考えた」。世界的な不況下での創作活動について高橋は「デザイナーが作るべき服を作り、着るべき人が着る。ミニマルにやっていく時期だと思う」と語った。

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内