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ゆかたで街へ ビアガーデン、パーティーに

2009年7月13日10時52分

写真:「ゆかた講座」。参加者は年々増えているという=安藤由華撮影拡大「ゆかた講座」。参加者は年々増えているという=安藤由華撮影

写真:プロ野球チーム柄のゆかたも=安藤由華撮影拡大プロ野球チーム柄のゆかたも=安藤由華撮影

写真:伝統柄でカラフルなゆかたや、素材感が新しい帯も=門間新弥撮影拡大伝統柄でカラフルなゆかたや、素材感が新しい帯も=門間新弥撮影

写真:籠バッグは洋服にも合わせられる=門間新弥撮影拡大籠バッグは洋服にも合わせられる=門間新弥撮影

写真:針谷さんの古典模様のゆかた=門間新弥撮影
拡大針谷さんの古典模様のゆかた=門間新弥撮影

 梅雨が明けたらいよいよ夏本番。花火大会にほおずき市、盆踊りと、夏のイベントには今年こそゆかたで、という人も多いのでは。最近は食事会にパーティーにと、ゆかたで出かける機会も広がっているとか。独りで着ることが出来ればぐっと身近に。お気に入りの一枚をまとって街へ出よう。

 東京駅にほど近いビルの一室。仕事を終えて集まってきた女性約30人が、細長い布地と格闘していた。財団法人・民族衣裳文化普及協会が主催する「浅草花やしき・ゆかた講座」の2回目。前回のおさらいで自らゆかたを身に着け、帯を結ぶ。「蝶(ちょう)になる部分は身幅の大きさですよ」。講師の手元を見つめていた女性たちの真剣なまなざしが、それぞれ帯を整え終えた瞬間、笑顔に変わった。

 「普段からさらりと自分で着られたらステキ。今年はゆかたでビアガーデンに行くつもりです」と、参加者の一人、正者(しょうじゃ)ゆかさん。昨年、友人がバーベキューにゆかたで現れたことが、今回講座に参加するきっかけになった。和田絵理香さんはこの夏、京都旅行で着る予定。片岡由衣子さんは「着物は大がかりだけれど、これなら入りやすい。ゆかたで行けば入場無料のイベントもあり、習ったことをいかすことができます」。

 講座名の通り、修了生は8月に浅草花やしきでの「ゆかた祭り」に行くというのが合言葉。中日ドラゴンズや楽天イーグルスの野球観戦に行くゆかた講座なども全国で展開している。

 同協会の阿久根房子・副委員長は「ただ着方を覚えるだけでなく、ゆかたを着て出かける機会も作ることで、着物文化に親しんでもらい、後世に正しく伝えていくのが目的」と話す。講師の平山峰子さんは「最初に洋服であいさつする時と、講座修了時のゆかたの時とでは皆さん雰囲気が違います。これをきっかけに、普段から美しくみえる動作を心がけてほしい」。

 ゆかたの起源は平安時代、貴族が蒸し風呂で湯浴(あ)みをする際にやけどをしないように着た麻布、湯帷子(ゆかたびら)とされる。江戸時代に銭湯が盛んになり、木綿栽培が普及すると、一般庶民が湯上がりの室内着として木綿のゆかたを着用するようになった。

 最近は特に花火大会などで着用する若い世代が増え、低迷する呉服市場でもゆかた関連商品は前年比増を続けている。海外のパーティーなどで着る人も少なくなく、デパート各店もゆかた売り場の増設やイベントの開催などに力を入れる。

 高島屋新宿店では、4月半ばからゆかた売り場を開設。先月には別会場を設け、今月さらに拡大する。売り場担当のきものコンサルタント・小倉早苗さんは「新郎新婦がウエディングパーティー用にとそろえたり、50代のご夫婦がクルージングの際に用意されたりと、年齢層、用途ともに広がっています」。

 人気は白地や紺地に、朝顔や花火といった伝統柄を配したクラシック調。これまで花火大会などの夜用は華やか一辺倒だったが、日中から出かけるシーンが増えたこともあり、落ちついた色合いで着物に近い「格」のあるものが好まれるという。

 帯や小物も同系色でまとめ、手には籠(かご)バッグというのが定番。ラインストーンの帯飾りやレースの半襟、オーガンディの重ね帯など洋服感覚で楽しめるものも多い。既製ゆかたで2万円台、帯は1万円台が売れ筋。

 紺地に乱菊の古典文様のゆかたを注文した針谷美紗子さんが、仕立て上がりを受け取りに来ていた。大輪の菊の花柄と、レースの麻の帯に一目ぼれ。子供のころから夏はゆかたで過ごすのが好きだった。和食レストランでの仕事の経験もあり、自分で着られるうえ、家事など日常作業も気にならない。

 「脇も開いていて意外に涼しいですよ。今度は海外へ行く時にぜひ持っていきたい」(柏木友紀)

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