2010年1月22日10時11分
風はまだ冷たいけれど、春はすぐそこ。今年の春夏ファッションは世界的な不況を反映してか、近年になく現実的で、着る人が自由な組み合わせを楽しむという傾向になりそうだ。たとえば食べ物のメニューやトッピングを考えるのと似た感覚。あなたならではのセンスでトライしてみてはいかがでしょう。
今年春夏のコレクションでは、特に大きなトレンドよりも、過去のさまざまなスタイルをミックスして「組み合わせの妙」を見せる提案が目立った。
合わせ方のポイントは二つ。一つは、なるべくカジュアルで気楽な感じを演出すること。ぜいたく感や隙(すき)のない決め過ぎは、時代遅れでかっこ悪く見える。二つめは、大人っぽさの中にもどこか少女っぽさやロマンチックな感覚の表現。暗い世相でも、できる範囲で明るさや希望を先取りしたい、ということだろう。
では、具体的に何を組み合わせたらいいのか。大トレンドがないとはいえ、ミニマリズムやミリタリー、スポーツ、ラブリーといったいくつかの小さなトレンドはある。その中から選んで手持ちの服とミックスすると今年っぽくなる。
■4つの味覚
バーニーズジャパンは、今年の傾向を四つの味覚に置き換えて提案している。「スイート」は、フリルやレースを使ったロマンチックなブラウスやドレス、ランジェリー。「ビター」はトレンチコートなどのミリタリーやメンズ調、飾りを排したシンプルな服。「サワー」はビンテージ風のジーンズや黒白のモダンな配色で、「ソルト」はナチュラルな民族調……という具合。
四つの味を組み合わせ、甘辛や甘酸っぱい感じといった工夫ができる。同社の鈴木春ファッションマーチャンダイザーは「今シーズンはまるでいいとこ取りのビュッフェスタイル。何かにとらわれずに自由に組み合わせて」と語る。
色には新味がある。煙ったような優しいパステルカラーで薄いピンクやヌードカラー(肌色)、淡く冷めたアイシーブルーなどが注目されている。また、素材も薄いレースやオーガンディといった繊細な透ける生地が目立つ。革やニットも驚くほど薄い。軽やかさが大事な要素なのだ。
■きれい色のトップス
もし何か一着だけ新調するなら、フリルやリボン付きのきれいな色のトップスがおすすめ。今年はそれに普通っぽいスカートやシンプルなパンツと合わせるのがコツという。
今シーズンほど着る側に自由度のある傾向は珍しい。そういえば、かつて多くの人が、鏡の前であれこれきこなしを試したことがあったはず。朝、いつもより20分早く起きてコーディネートを考える。そんな忘れかけていたファッションの楽しみを改めて味わってみるのもいいかもしれない。(編集委員・高橋牧子)