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「昔スタイル」今に生かす ピッティ・ウオモ 2010年秋冬

2010年2月8日10時39分

写真:“森”の中で行われたコルネリアーニのショー=ジョバンニ・ジャンノーニ撮影拡大“森”の中で行われたコルネリアーニのショー=ジョバンニ・ジャンノーニ撮影

写真:キートン拡大キートン

写真:イザイア拡大イザイア

写真:アレアのフラウエア拡大アレアのフラウエア

写真:初出展したオランダのデンハム拡大初出展したオランダのデンハム

写真:カオル・カネコのワンピース拡大カオル・カネコのワンピース

写真:勝川永一のHカツカワ拡大勝川永一のHカツカワ

 世界有数の紳士服展示会、ピッティ・ウオモの2010年秋冬が先月、イタリア・フィレンツェで開かれた。的を絞るか、広げるか。クラシックかカジュアルか。不況の出口がまだ見えない中で、各ブランドの新作発表も選択と集中が図られている。過去のスタイルを現代風にアレンジする手法も目立った。

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 今回はゲストとしてショーで発表したコルネリアーニは古い駅の構内に高さ5メートルはありそうな約280本の松の木で“森”を作り、その中にランウエーをしつらえた。80年代風の肩が広いダブルのジャケットや立体的な編み柄のニットも見た目より軽く、全身のシルエットはだぶつかない。デザイナーのセルジオ・コルネリアーニは「ジムで体を鍛える、モダンでセクシーな現代の男たちを引き立たせるスタイルを提案した」。

 クラシコイタリア勢のキートンはスーツ中心の展示に。新ラインのチーパは「60年代のアーカイブを現代に合わせて作り直した」と同社のラファエル・ニグロさん。ピークドラペルをシャープに利かせながらフィット感のあるシルエットに仕立てた。

 イザイアが見せたのはイタリアのスキーリゾート、コルティナを舞台にした優雅な50年代スタイル。グレーや茶系のチェックのスーツに、マント風のコートなどを合わせてクラシカルな雰囲気を演出した。

 一方、ブルックスブラザーズは今回もメーン館の中央に陣取ったが、スーツのマネキンは数体だけ。ギンガムチェックのボタンダウンシャツやアーガイル柄のニットなど、欧州市場での戦略からか若々しくカジュアルな服を多く並べた。

 カジュアルでは、アレアのシャツが小粋だった。環境問題を意識し、フラワーとウエアをかけたフラウエアというコンセプト。オーガニックコットンの鮮やかなシャツの胸に、3輪のガーベラが刺繍(ししゅう)される。

 デニムブランドでは、オランダのデンハムが初出展した。日本製デニムを使い、ステッチやポケットなどディティールにこだわった独特の風合い。PR担当のヴィヴィアン・ホーラさんは「高品質な日本のデニムにイタリアの加工技術、中国の縫製技術を組み合わせて、最高のジーンズになる」。

■日本ブランドも

 多くの日本ブランドも出展する中で、2人の靴職人の個性的な作品が目を引いた。

 在伊20年の金子薫が手がけるワンピースは、柔らかい一枚革を手縫いで仕上げる、足をくるむようなフォルムが特徴だ。「手作りにこだわり、デザインと履き心地の融合を目指している」と金子。ピッティでの手応えは上々という。

 メーン館の一角に小さなブースを構えたHカツカワは、勝川永一が07年に立ち上げた。素材はニベレザーという粗く起毛させた牛革。着色するとまた別の質感になる。勝川は「欧米にはないオリジナリティーのある靴を作っていきたい」という。

■バイヤー増加

 今回は約850ブランドが出展、1月12日からの4日間で延べ約3万人が来場した。バイヤー数は09年秋冬より3%増加。特に米国からの来場数が大きく回復した。

 運営するピッティ・インマージネのラファエロ・ナポレオーネ最高経営責任者(CEO)は「年末年始のセールは予想よりも好調だ。ムードは上向いている」とした上で、「現代の都市生活にマッチしたスポーツとフォーマルが融合した服が、新しい素材、新しい価格帯で、または環境へ配慮した視点から作られている。深い変化が起きつつある」と話している。(菅野俊秀)

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