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職人技・華やかさ再び 2010年秋冬ミラノ・コレクション

2010年3月15日14時5分

写真:ドルチェ&ガッバーナ拡大ドルチェ&ガッバーナ

写真:グッチ拡大グッチ

写真:プラダ拡大プラダ

写真:ジョルジオ・アルマーニ拡大ジョルジオ・アルマーニ

写真:スポーツマックス拡大スポーツマックス

写真:マルニ拡大マルニ

写真:ミッソーニ=写真はいずれも大原広和氏撮影拡大ミッソーニ=写真はいずれも大原広和氏撮影

 メード・イン・イタリーの復権。2月下旬から開かれた2010年秋冬ミラノ・コレクションは、イタリアファッション産業界の去年の売り上げが90年代半ば以降で最低となる中、多くのブランドがミラノならではの卓越した職人技や、華々しかった90年代の象徴的なスタイルを改めて強調した。デザインはクラシックだが、現代的なフェミニンさと同時にぬくもりも感じさせる。また、約3割のブランドがショーを世界にネット中継した。そんな再興への意気込みからか、近年になく活気が戻ったようだった。

【フォトギャラリー】2010年秋冬ミラノコレクションはこちら【ファッション・トレンドセミナー】2010年秋冬はこちら

■90年代スタイル復活

 「懐かしい……」。90年代のミラノ・ブランドブームを経験した人なら、たぶんそう感じたに違いない。なにしろ、グッチは決別したはずの元デザイナー、トム・フォードの全盛期の作風を思わせる、シャープでミニマルなコートやスーツを並べてみせたのだから。

 とはいえ、30代女性の現デザイナー、フリーダ・ジャンニーニが描く色やシルエットは、柔らかく若々しい。イブニングドレスもミニ丈のみ。金具使いは、このブランドのもう一つの輝かしい時代、70年代スタイルだった。

 ドルチェ&ガッバーナは、「イタリアの仕立屋」宣言。背景に服作りの過程を収めたモノクロ映像を流しながら、ヒョウ柄や花柄のセクシーなドレスや水玉柄のシフォン、ゴムベルト使いなどこのブランドらしいスタイルを、新鮮なバランスに置き換えた。デザイナーと50人の職人たちがドレープを何度も寄せ直しすそを整えている映像から、それらの服に彼らがどれほどの感性や愛情、手間を注いでいるかが伝わってくる。

 ファストファッション全盛への反発もあるのだろう。デザイナーは、「テーラリングの伝統と絆(きずな)。そのイタリア人ならではの特徴と優位性を、今こそ主張することが大切だという思いが強くなった」と語った。

 やはり90年代スタイルに戻りながらも、どきりとするようなセクシーさを加えたのがプラダ。フィルムノワールの女優のような上げ髪のモデルが着るひざ下丈のタイトなクラシックスーツは、胸の形を強調するブラふうの突起や幾重ものフリルで飾られた。

■「イタリア製」の意地

 ジョルジオ・アルマーニは「ニュー・シック」をテーマに、上質の生地と仕立てにドレープなどで女性らしいニュアンスを加えた力作。マックスマーラとスポーツマックスは、共に得意のコートをさらに充実させてその特徴を強調した。ルイジ・マラモッティ会長は「イタリア製というラベルの質が20年後も保たれるように、自らを過大評価せずに精進したい」と語った。

 そうしたなかでも、特に光ったのは、ユーモアをくるんだ明るい色や柄を用いながらも、生地の扱い方の工夫で新しい量感を作ったマルニ。また、ミッソーニもロマンチックな優しさと温かさをざっくりとした手編みニットに込めた。どちらも、強さと軽やかさを併せ持つ現代的なクラシックスタイルに見えた。

 今回の参加ブランドは約80と変化はないが、当初7日間だった会期が、米国「ヴォーグ」誌のアナ・ウィンター編集長の滞在に合わせて4日間に集中した。今回から主会場での約20ブランドのショーをインターネット中継して世界の消費者に直接訴求するなど主催者は意欲的だが、こんな混乱ぶりには泣かされた。

 主催のファッション協会マリオ・ボゼッリ会長は「ブランドは何を言われても動じないことが必要。国内のファッション関連の7万企業、70万人の就業者をもっとリードしていかなくては」と語っているのだが……。(編集委員・高橋牧子)

◇写真はすべて大原広和氏撮影

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