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つくる楽しみの原点へ 2010年秋冬東京コレクション(上)

2010年4月5日14時17分

写真:アグリ・サギモリ拡大アグリ・サギモリ

写真:ソマルタ拡大ソマルタ

写真:シアタープロダクツ拡大シアタープロダクツ

写真:ミハラヤスヒロ拡大ミハラヤスヒロ

写真:まとふ拡大まとふ

写真:ビューティフルピープル拡大ビューティフルピープル

写真:ミントデザインズ(写真はすべて大原広和氏撮影)拡大ミントデザインズ(写真はすべて大原広和氏撮影)

 羽ばたく鳥のように、軽やかに舞うチョウのように、広い世界へと新しい旅に出よう――。2010年秋冬東京コレクションが3月下旬に開かれた。海外からは景気の底打ち感も聞かれる中、装う喜び、つくる楽しみの原点を見つめ直したブランドが、個性あふれる美しさを見せた。2回に分けて報告する。

 東コレは、10回目を迎えた「東京発 日本ファッション・ウィーク」の中心企画。今回は会期を4日間に集約し、44ブランドが参加した。

 未知の美に出合うワクワク感をもう一度。ソマルタ(廣川玉枝)は「好奇心の部屋」をテーマにした。羊の角の髪形に頭蓋骨(ずがいこつ)のバッグ。羽根をちりばめたスカートに、靴には動物のしっぽが揺れる。ドレスなどのプリントは、ウサギと鳥、ライオンと羊を合成した架空の動物たちだ。「世界が謎と神秘に包まれていた時代の好奇心や探究心を表現しようと思った」と廣川。

 シアタープロダクツ(武内昭、中西妙佳)は日本初のファッションショーが開かれた東京・日本橋の三越劇場を会場に選んだ。部屋着やドレスなどジャンルごとに舞台を暗転。レトロ感漂う花柄やペイズリー柄の服は、百貨店があこがれだった頃の“お出かけ着”を想起させた。

 アグリ・サギモリは、「瞬間の美」をテーマにした静謐(せいひつ)なコレクションを見せた。レザーのワンピースに舞うチョウは、標本箱から解き放ったよう。デザイナーの鷺森アグリは「舞う瞬間の美しい出来事を切り取ってその場にとどめたかった」と話す。

■森や旅テーマに見つめ直す“美”

 ミハラヤスヒロのテーマは「旅」。ツイードのマウンテンパーカーや防寒仕様のナイロンを使ったロングブーツなどで、都会から自然へと向かう女性を表現した。ちぎれたような粗い目のニットに黒い羽根のミニスカートは、強さと優美さも感じさせる。「人生という旅で、迷いつつも自分の道を見つけて進む女性がうらやましい」と三原康裕。

 和の美を追求するまとふ(堀畑裕之、関口真希子)は今期から「日本の眼(め)」を主題に据える。今回は、十二単(じゅうにひとえ)などの装束に想を得た「かさね」の美を現代的なセンスで発表。移ろいゆく空の色、都会の風景などを、グラデーションのジャケットやワンピースで優しげに表現した。

 ミントデザインズ(勝井北斗、八木奈央)は、ドイツの木組みの家をモチーフに、ワンピースなどに力強い線を描いた。「地に足が着いた骨太な世界観を作りたかった」と勝井。八木は「私たちは今しか知らないし、ホープレスだと思ってない。過去にとらわれずことに当たれば、新しい価値観も見えるのでは」。

 ビューティフルピープル(熊切秀典)は村上春樹の小説「ノルウェイの森」から着想したキャメルのコート、短丈のダッフルコートやピーコートを上品にまとめた。シルクウールの光沢のあるスーツや3Dのドットプリントのワンピースも目を引いた。

 ヨシオクボのテーマは「悲しい森」。デザイナー久保嘉男は「暗い樹海に迷い込み、落ち葉まみれになったような男のイメージ」。モノトーンを基調に、異素材の切り替えしやプリーツ、ファスナーなど凝ったディティールで独特のシルエットに仕立てた。

 カミシマチナミは、ウィリアム・ブレイクの詩から着想し、花びらのように布をあしらったり大きなリボンやフリルを用いたりして、幻想的で優美な女性像を打ち出した。デビッド・リンチの映画に着想したGVGV(MUG)は、会場も服も鮮血のような赤。グランジとエレガントの両極の服を並べた。

 新人支援のシンマイ・クリエーターズ・プロジェクトに昨年参加したシダ・タツヤ(信太達哉)は、カラフルな布に複雑なタックを入れて、ボリュームたっぷりの楽しいスタイルを見せた。(小川雪、菅野俊秀)

【2010年秋冬 東京コレクション速報】

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