現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. ファッション&スタイル
  4. ビューティー
  5. 記事

〈パリ・コレ デザイナー交代〉(1)ニナ・リッチ 漂う女性らしさ

2010年5月10日11時1分

写真:ニナ・リッチの10年秋冬コレクション拡大ニナ・リッチの10年秋冬コレクション

写真:デザイナーのピーター・コッピング=写真はいずれも大原広和氏撮影拡大デザイナーのピーター・コッピング=写真はいずれも大原広和氏撮影

 パリ・コレクションで、デザイナーが交代した二つの有名ブランドが注目されている。フィービー・ファイロが担うセリーヌと、ピーター・コッピングによるニナ・リッチ。いずれも他の有力ブランドで経験を積み、その人気を押し上げたアラフォー(40歳前後)世代だ。(編集委員・高橋牧子)

    ◇

 ピーター・コッピングは繊細なレースや花飾りなど、詩的でフェミニンなデザインセンスを持つ。マーク・ジェイコブスの右腕としてルイ・ヴィトンにいた頃から精彩を放った。そんな作風が、ロマンチックな味わいを伝統にしてきたニナ・リッチにぴたりと合い、水を得た魚のように華やかな作品を繰り出している。

 今季も薄いレースから厚手のジャカードまで、多彩な素材に様々な花飾りが付いていた。色もパステルやクジャクの輝くブルー。胸を強調し、ウエストをほっそりと。メンズ調のテーラードジャケットは、襟の布地がそのままバラの形となって立ち上がる。

 20世紀初めごろのベル・エポック(よき時代)がイメージの源だという。「飛び抜けてフェミニンな服の時代で、柔らかい服を着た女性が女であることを享受していた。その気分は、いま男性と肩を並べて働く女性たちにこそ、新しい形で引き継がれるのではと感じた」とコッピング。

 現代的なニュアンスを加えるために、舞踏家ピナ・バウシュの演目「コンタクトホーフ」の衣装に見られる、「シンプルで、ある種の荒々しさを持つ、辛口のフェミニンな感覚」を参考にしたという。

 就任直後にブランドの約80年のアーカイブを研究し、エッセンスを今に生かすヒントを探した。その答えがフェミニンと軽み。「指輪やネックレスがなくても、それを着た女性の内面から、個性的な女性らしさが立ち上がってくるような服をめざしたい」

    ◇

 Peter Copping 66年、英国生まれ。英国王立芸術大卒業後、クリスチャン・ラクロワやソニア・リキエル、ルイ・ヴィトンを経て、09年からニナ・リッチのアーティスティック・ディレクター。

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内