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イヴ・サンローラン パリで回顧展

2010年5月25日10時13分

写真:イヴ・サンローラン回顧展より拡大イヴ・サンローラン回顧展より

 「モードの帝王」と称されたイヴ・サンローランの没後初の大規模な回顧展が、パリ市立プチパレ美術館で開かれている。02年の引退までの約40年間に創作したオートクチュールと既製服300点のほか、映像や未公開写真などを駆使して、革命児ともいわれた数々の大胆な創造性に新たな光を当てている。

 会場に入るとまず、1960年代のシンプルなピーコートやパンツスーツが左右にずらりと並ぶ。発表当時は女性にはタブーとされていたスタイルだったが、彼は女性の社会進出を後押しするかのようにこうした服を次々と打ち出した。背後には、当時の女性解放運動のデモ風景や、パンツスタイルへの賛否をめぐって巻き起こった「パンタロン論争」の記録映像が流れる。

■「革命児」の創造性 浮き彫り

 モンドリアンドレスやサファリスーツ、また黒い壁一面に掛けた40体のスモーキングジャケットのスーツ。ファッション史の本などで決まって登場する多くの代表作も興味深いが、作品を生み出したアトリエの再現コーナーや、綿密な仮縫いをしている映像も味わいがある。好んで使った色の大量の生地見本なども彼の美意識を象徴しているように見えた。「裸ほど美しいものはない」という言葉に添えて、自らヌードになったジャンルー・シーフ撮影の広告写真もあり、71年の発表当時に没になったカットも初めて公開している。

 開催には、サルコジ大統領の妻で、元モデルのカーラ・ブルーニさんの強い勧めもあったという。同館の広報担当者は「サンローランは、ゴヤやレンブラントとも並ぶべき偉大な存在。シャイで極度に神経質で犬好き、といった人間的な面も伝えたい」と語った。8月29日まで。(編集委員・高橋牧子)

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