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シンガポール、ファッションの「ハブ」へ始動 AFX

2010年5月24日11時17分

写真:特設テントでは有名ブランドのショーが。国内からはオールドレストアップが登場拡大特設テントでは有名ブランドのショーが。国内からはオールドレストアップが登場

写真:見本市で披露されたタイのブランド、イシューの作品拡大見本市で披露されたタイのブランド、イシューの作品

写真:多民族社会の一端。パキスタン人デザイナーのショーに集まったパキスタン系女性拡大多民族社会の一端。パキスタン人デザイナーのショーに集まったパキスタン系女性

 シンガポールをアジアのファッションのハブ(軸)に――。政府機関などが主催する初の「アジア・ファッション・エクスチェンジ(AFX)」が4月27日〜5月2日、シンガポールで開かれ、同国政府の協力で取材した。ショーや見本市はイギリス、タイ、インドなど外国ブランドが半数を占め、国際性をアピール。今後毎年開く。「国際ファッション都市」誕生成るか。(安部美香子)

 「東京や上海と競争するつもりはない。協力してアジアのブランドを育て、東西のバイヤーを呼び込みたい。だから『アジア』と名付けた」

 主催者の一つ、国際企業庁ライフスタイル・ビジネスグループのディレクター、タン・スン・キムさんはアジアの共生を強調する。

 AFXには4本の柱がある。有名ブランドのショー、アジアなどの発展途上のブランドの見本市、アジアの新人デザイナーを発掘するコンテスト、そして業界関係者の情報交換のための会議だ。

 ショーは協賛したドイツの自動車メーカーの名を冠して「アウディ・ファッションフェスティバル」。繁華街の特設テントに10ブランドが参加した。ロベルト・カヴァリ、ディースクエアードといった有名ブランドのほか、シンガポール国内からはオールドレストアップとラウルが出た。

 見本市は「ブループリント(青写真)」と題し、F1グランプリの夜間レースで使う臨海部の施設で開いた。シンガポール22、タイ11、イギリス11、インド5など9カ国55ブランドが出展。他のファッションウイークと重ならないためか、17カ国127人のバイヤーと86の海外メディアが訪れた。

 「トルコのバイヤーと契約が成立した」と、見本市に出展したタイの「イシュー」のデザイナー、ロー・プーパウィット・クリポンナラ(36)。タイで約10年ブランドを運営してきたが、これを機に海外進出を目指す。

 ロンドンを拠点にするシンガポール出身のデザイナー、ユージン・リン(27)は「主催者は有名ブランドのショーばかりを地元マスコミに露出させ、新興ブランドを宣伝しない。アジアの新人育成が目的のはずだ」と批判も口にした。

■英語強み 弱点は暑さ

 シンガポールは人口499万人で、面積は東京23区内とほぼ同じ。中華系75%、マレー系14%、インド系9%などから成る多民族国家だ。

 「すでに空港、金融、医療、教育ではアジアのハブ。次にファッションビジネスを狙うのは当然だろう」とアジア諸都市の比較に詳しい博報堂の小山諭・上席研究員。

 土地が狭いので、製造業ではなくASEAN諸国との貿易・物流で栄えてきた。近隣のマレーシアやインドネシアには「ちょっと進んだ都市型ライフスタイルの国」と、あこがれの目で見られているという。

 シンガポールの強みは、共通語が英語で、交通・通信環境が整い、会社を作りやすい制度があること。さらに「わいろがないのも長所」とパルコ・シンガポールの日高州一社長は話す。弱点もある。一年中暑い熱帯で秋冬物が売れない。四季がないのでファッションにお金を使わない人が多い、と日高社長。

 今後のAFXの見込みはどうか。香港出身のファッションディレクター、シンディ・ホーさんは「欧米にないユニークなものがあるなら行く。何が見られるか、個々のブランドがバイヤーにメッセージを送るといい」と話す。

 「見本市の強化を」と言うのは、05年に「東京ガールズコレクション」を立ち上げた大浜史太郎・ファッションウォーカー社長。政府の招きでやってきた。「今回の55ブランドでは足りない。アジア各地のブランドを大量に集めれば、交流の拠点になり得る」

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