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ジル・サンダー、マイケル・コース…セカンドブランド続々

2010年6月28日11時45分

写真:[1]ジル・サンダー ネイビー拡大[1]ジル・サンダー ネイビー

写真:[2]マイケル・マイケル・コースのバッグ拡大[2]マイケル・マイケル・コースのバッグ

写真:[3]レッド・ヴァレンティノ拡大[3]レッド・ヴァレンティノ

写真:[4]シー・バイ・クロエ拡大[4]シー・バイ・クロエ

写真:トリー・バーチ=安藤由華撮影拡大トリー・バーチ=安藤由華撮影

 あのブランド品と、テイストや質感もそれほど違わないのに、値段は半額ほど。そうしたいわゆる「セカンドブランド」の新顔が、この秋から続々現れる。景気低迷で売り上げが落ち込む高級ブランドの苦肉の策ともいえそうだが、格安のファストファッションとのあいだのゾーンで、消費者の選択の幅は広がる。

■気軽にラグジュアリー

 ドレープがさらりと流れる袖なしワンピースが3万〜4万円、ニットは約2万円。凝った作りのジャケットでも8万円ほど。ミラノの代表的な高級ブランド、ジル・サンダーが来春から発売する「ジル・サンダー ネイビー」=写真[1]。とりわけ高価格で知られてきたブランドだけに、この新ラインの値ごろ感にはびっくりさせられた。

 お披露目で来日したジル・サンダー・グループのアレッサンドロ・クレモネージCEO(最高経営責任者)は「企画当初からこの価格帯を目標にした。もっと気楽に買える品が欲しい、という消費者の要望に応えたもの。ハイブランドという垣根を感じないで親しんで欲しい」と語った。

 ジル・サンダーはその「垣根」が世界で最も高いブランドの一つだった。創始者ジル・サンダー本人がブランドを離れたあと、ラフ・シモンズがデザインを担当し、2008年に日本のオンワードホールディングスが買収した。価格を抑えられたのは、綿やナイロンを中心素材にし、生産をオンワード傘下の伊ジボ・コー社が担うことでコスト削減できたからだ。「ネイビー」はセカンドブランドではなく、カジュアルな商品群と位置づけている。

 ジボ・コー社のフランコ・ペネCEOは「クリエーションの質は同じでも、市場規模や時代の変化に合わせて表現の質や生産の仕方を変えなければ生き残れない」と話す。

 ニューヨークで活動するマイケル・コースのセカンドブランド、「マイケル マイケル・コース」は8月、東京に初の路面店を出す。4万〜7万円台の革のバッグ=写真[2]や2万円台のパンプス、1万〜3万円台の時計やサングラスなど、主な商品が従来のマイケル・コースの約半額。来年は百貨店などに二十数店を開く予定だ。

 この2月に立ち上げた日本法人の田代俊明社長は「革製品は中国製が多いが、この値段とは思えないほど上質です」。米国の有力百貨店ではこうしたセカンドラインだけを集めたフロアが登場しているが、日本でもこの新たな商品群が有望なのでは、とみる。

 セカンドブランド戦略はまだまだ見られる。ヴァレンティノは「レッド ヴァレンティノ」=写真[3]を今秋、東西の百貨店内に1店ずつ開く。

 ヴェルサーチは、サングラスなど小物に限っていた「ヴェルサス」に気鋭の英国人デザイナーを起用。今年春夏から服を含めたフルラインでミラノ・コレクションに参加してきた。ブランドを監修しているドナテッラ・ヴェルサーチは「ロック音楽と密接にかかわる若い才能によって、今日のファッションに進化させていきたい」とコメントを寄せた。

 一連の動きは、マーク・バイ・マークジェイコブスや、シー・バイ・クロエ=写真[4]など、先行したセカンドブランドの成功が呼び水になったようだ。8年前、日本にデビューしたシー・バイ・クロエの売り上げは順調で、リーマン・ショック後の09年度(10年3月期)も前年度比で2割増、この4月も前年から3割増だという。

 三木均・クロエCEOは「そのブランドが好きな人が、シーンによってセカンドブランドと使い分ける。円高を追い風に、そんなニーズが日本でさらに高まると思う」と述べている。

■「欲しいものに手が届く」新進のトリー・バーチ

 セカンドブランドではないが、着やすく、買いやすく、しかもぜいたく感があることで注目されているのが、米国のトリー・バーチだ。04年にデビュー。昨年日本に初めて出店し、全国に16店を構える。先ごろ来日したデザイナーのバーチに話を聞いた。

    ◇

 私が本当に着たい服、他の店で探しても見つからない物を作ろうと心がけています。自分自身が、ぜいたく品だけの消費に、もう何だか疲れてしまったのです。欲しいと思う物が手の届く価格であることが大切だと思います。

 それに、テイストをミックスできる服を作りたい。私もプライベートでは、時にH&MのTシャツにイヴ・サンローランのジャケット、トリー・バーチのボトムなどを合わせます。ファッションをもっと楽しんで、と提案したいのです。(編集委員・高橋牧子)

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