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エミリオ・プッチのデザイナーが語る センシャルでグラマラスな女性像

2010年6月25日10時44分

写真:東京で開かれたエミリオ・プッチの10年秋冬コレクションのショー。ベルベット素材にプリント柄を織り込むなどの新しい試みが目立った=6月3日、東京都目黒区で拡大東京で開かれたエミリオ・プッチの10年秋冬コレクションのショー。ベルベット素材にプリント柄を織り込むなどの新しい試みが目立った=6月3日、東京都目黒区で

写真:今季のコレクションはファーもキーアイテムのひとつ。モデルはTAO拡大今季のコレクションはファーもキーアイテムのひとつ。モデルはTAO

写真:エミリオ・プッチのクリエイティブ・ディレクター、ピーター・デュンダス。拡大エミリオ・プッチのクリエイティブ・ディレクター、ピーター・デュンダス。

写真:ショーのフィナーレ。先頭のモデルは冨永愛。拡大ショーのフィナーレ。先頭のモデルは冨永愛。

 秋冬物ということはある。それでも、エミリオ・プッチのコレクションがこれほどプリントが少ない、いや秘められたシーズンがあっただろうか。色鮮やかで万華鏡をのぞいたようなプリントで知られるプッチ。そのクリエーティブ・ディレクター、ピーター・デュンダスが今月、東京で2010年秋冬コレクションのショーを開いた。「変化」のわけをインタビューで尋ねると、「センシャルでグラマラス、そしてロックな理想の女性」を思い浮かべただけだというのだが――。(アサヒ・コム編集部 柏木友紀)

 「ぼくの女性への妄想やあこがれを形にしたんだ。色っぽくてグラマラス。例えばかつてのマリリン・モンローみたいな。典型的なジャージー素材のプリントは確かに減った。でも、もともとプッチの大胆な柄は、都会とリゾート地を行き来するソウルフルでパワフルな女性に愛されてきたわけで、ぼくのイメージと決して遠くはないはずだ」

 3シーズン目の今季は、女性の持つ裏側の部分、少し危険な香りを意識した。写真家ニュートンが切り取った’70年代の退廃的なヒロインがそのアイデアの源となっている。

 スタッズやフリンジといったロックテイストあふれるディテールで力強さをアピール。クロコダイルレザーやフォックスファーなど希少な素材を多用、プリント柄をベルベットやジャカードなどに織り込むなどの手法で、グラマラスさと奔放さを両立させた。

 「女性が内に秘める芯の強さ、そしてその新鮮な息吹は、ロックンロールの精神に通じるところがある。ぼくもデザインする際には、必ずダイエットコークとロックミュージックが必要だしね」

 ジャンポール・ゴルチエ、クリスチャン・ラクロワ、エマニュエル・ウンガロを経て、2009年秋冬コレクションからプッチの指揮を執る。音楽家の母と医者の父を持ち、自身も小さい頃からバイオリンを奏で、医者を目指していたという異色の経歴の持ち主だ。

 故郷ノルウェーから14歳で渡米。医大に進むはずが、高校での物理の授業の最中に、ファッションの道で生きようと決断し、ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインへ進学した。

 「もともと妹に服を作ってやるなど、興味はあった。でも、医者でなくデザイナーとして、どう社会に貢献できるか、その意義付けを納得するのには時間が必要だった」

 そして、思い至ったのが「医者も患者を助けるが、人々をファッションで美しく力強くすることで、社会に貢献すること」。そのデザインの底流に、常に「強さ」が感じられるわけをここに見た。

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