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デコの対象拡大 「装飾系男子」に車、家電

2010年8月1日10時52分

写真:約30万個のスワロフスキー・エレメンツで埋め尽くされたベンツ。左が金色、右が銀色=大阪市中央区のGARSONアメリカ村店拡大約30万個のスワロフスキー・エレメンツで埋め尽くされたベンツ。左が金色、右が銀色=大阪市中央区のGARSONアメリカ村店

写真:iPhoneのケース=大阪市中央区の大丸心斎橋店内拡大iPhoneのケース=大阪市中央区の大丸心斎橋店内

写真:スイーツ系デコグッズを品定めする女性=大阪市中央区の大丸心斎橋店内拡大スイーツ系デコグッズを品定めする女性=大阪市中央区の大丸心斎橋店内

写真:一群のスイーツ系デコグッズ。デコが肥大し、「本体」になったとも言える=大阪市中央区の大丸心斎橋店内拡大一群のスイーツ系デコグッズ。デコが肥大し、「本体」になったとも言える=大阪市中央区の大丸心斎橋店内

 携帯電話にキラキラ輝くクリスタルをはり付けてデコレーションする「デコ電」が、ギャルの間で流行して数年。デコる対象は食器や家電、車にまで及び、男性や大人へも広がっている。一方、デコの最前線は、マカロンなどのお菓子の模造品を使う「スイーツデコ」にあるようだ。(安部美香子)

    ◇

 今月初め、東京・銀座の鳴海製陶のショップで、マグカップや小皿をスワロフスキー社製のクリスタル素材「スワロフスキー・エレメント」で飾る体験イベントがあった。

 「デコ電」のようにびっしりと盛り上げず、余白をつくって散らすと上品な雰囲気になる。参加した30代の女性は「キラキラしたものに触れていると心が躍るというか、気持ちが華やぎますね」。

 「日本人は光り物を楽しみながら日常生活に採り入れている」とスワロフスキー・ジャパンの代表取締役でフランス出身のジェームス・アレクサンドルさんは話す。「欧州ではクリスタルには高級品のイメージがあり、オートクチュールのような高級服にしか使われなかった。男性が身につけるとゲイと見られる先入観もあった」

 日本では男性にもデコが広がりつつある。スワロフスキー・エレメントを専門に扱う東京・原宿のアクセサリーパーツ店「貴和製作所」にも男性客は珍しくない。アイロンで接着するクリスタルを買い、ジーンズのベルト通しやかばんのロゴを飾る人もいるという。

 「『装飾系男子』と呼ぶようです」と佐藤友紀店長(29)。光る装飾は、以前はヒップホップ系の男性が身につけるイメージがあったが、最近はジャニーズ系男子も買っていくらしい。

 カー用品にデコを広めたメーカーもある。大阪市中央区のアメリカ村に店を出す「DAD」。店頭にはスワロフスキー・エレメントを全面にはり付けた、まばゆいメルセデスベンツが2台並び、道行く人を驚かしている。

 車のショーの出品用で商品ではないが、1台につき約30万個、1500万〜2千万円相当の石を使った。値をつけるなら「1億円」と桑山大介社長(40)。

 同社では6、7年前からスワロフスキー社の素材を使ったカー用品を製造・販売している。1万円台のカップホルダーや灰皿がよく売れる。テーマは大人のラグジュアリー感。デザインする時、常に意識するのは助手席に座る女性の視線だ。「女の子にとってキラキラへのあこがれは永遠のもの。嫌いという人はいないでしょう」と桑山社長。

 デコのブームはこれからも続くのだろうか。

 「コアファンの中では終息に近づいているが、一般の人にはまだ新鮮。今後は幅広い層に広めたい」と、デコグッズの店をデパートなどに展開する「モニカ」の若林恵社長(26)。

 若林社長によれば、全盛期の2006〜07年にはデコの教室や雑誌が乱立した。デコの対象にはその時々のはやりものが選ばれる。ニンテンドーDSやiPhoneもあれば、タブレット菓子「ミンティア」のケースも。今はiPadが有望という。

 最近では、クリスタルを使ったキラキラ系より、樹脂粘土などで作ったカラフルなお菓子を盛り上げるようにはる「スイーツデコ」が幅をきかせるようになり、ギャルの関心は後者に移っている。火付け役は、ソフィア・コッポラ監督の映画「マリー・アントワネット」に出てきたカラフルなマカロンらしい。

 デコレーションがエスカレートし、デコ部分が独立してしまうケースもあるようだ。大阪の大丸心斎橋店に先月オープンした「モニカ」のショップには、本物のケーキにしか見えない小物入れやカードホルダーが並んでいた。

 「デコは、持ち物をカスタマイズして、愛着や自分らしさを表現すること」と、ギャル文化を発信するフリーペーパー「MIG」の田口まき代表(28)は言う。キラキラ系もスイーツデコも、共通点は過剰な装飾だ。「キラキラ系からスイーツ系に変化しても、過剰な装飾で自己表現したがる女性の気持ちは変わらないのではないでしょうか」

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