2011年2月19日13時5分
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2011年秋冬ロンドンファッションウイーク(LFW)が18日、開幕した。バーバリー、ポール・スミスなどの老舗ブランドから、ジャイルズ、イッサといった話題の気鋭デザイナーまで、スタイルも規模も幅広いのが特徴。今回からPR担当大使にサマンサ・キャメロン首相夫人を迎え、23日まで国内外に向けてロンドン発のスタイルを発信する。(ロンドン18日=アサヒコム編集部・柏木友紀)
ロンドン中心部にあるサマセット・ハウスをメーン会場に、市内各地で65のランウエーショーや45のプレゼンテーションのほか、170ブランドの展示会が予定されている。LFW25周年を記念して2年前から本拠地ロンドンに戻って来たバーバリーを始め、ジャイルズ、マシュー・ウィリアムソン、ダックスなど、このところ新作発表をパリやミラノ、ニューヨークからロンドンに切り替えるブランドも少なくない。パンクやミニスカートといったロンドン発祥のスタイルがファッション界を席巻した70年代、ジョン・ガリアーノやアレクサンダー・マックイーンらが輩出した90年代に続けとばかり、同地のファッション関係者の期待と興奮が入り交じる。
高級革製品などで知られる英スマイソン社でクリエーティブ・ディレクターを務めていたキャメロン夫人はこの日、黒いミニのスーツ姿で開会式に出席した。何げないストレートの栗毛と相まって、抑えめで上品な雰囲気が漂う。「ファッションは210億ポンドにも及ぶ英国でも非常に重要な産業のひとつ。その振興のために少しでもお役に立てれば」などとあいさつ。老舗帽子店から新進ジュエリー・デザイナーの作品まで、会場内の展示会場を視察しながら、気さくにデザイナーやブランドスタッフと会話していた。
メーン会場のサマセット・ハウスはテムズ川に面してたたずむネオ・クラシカル様式の建物で、かつては貴族の邸宅として使われ、現在は美術館や教育機関などが入る。この1階から4階部分で展示会が行われ、キャットウォーク・ショーは中庭に建てられた大きなテントで行われる。
英国内の新聞各紙やファッション雑誌はもちろん、世界中から述べ約5000人のジャーナリストやバイヤーらが訪れる。例年に比べ比較的暖かいとはいっても、2月半ばのロンドンはまだ寒く、ファーを主体にブーツや巻物といった防寒スタイルが多い。他地域のファッションウイークと比べると装いはやや抑えめ、バッグなどもマルベリーに代表される大きめのエディターズ・バッグが主流のよう。
敷地内をせわしなく行き来するバイヤーやモデル、ショーの観客らの中から、目立ったいでたちの人に端から声をかけて撮影するカメラマンや、服や小物、おしゃれのポイントを聞いてまとめるライターたち。プレスルームで鬼のようにパソコンのキーをたたく一部のプレス。今後のビジネス展開に向けて自作を売り込む若手デザイナー。一つショーを終えてまた次のショーへ向かうモデルたち。これらが混然一体となり、慌ただしいながらもお祭り気分も漂う。
この日は若手デザイナーを中心としたショー、19日からは日本でもなじみのあるブランドの発表が続く。分刻みで次々行われるショーの内容や、そこに集まる人々の熱気を随時お伝えしていきます。