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ブランド店、新装・改装の春 店空間に紡ぐ世界観

2011年4月11日10時43分

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写真:(1)銀座にオープンした「エルトブテップイッセイミヤケ」=横関一浩撮影拡大(1)銀座にオープンした「エルトブテップイッセイミヤケ」=横関一浩撮影

写真:(2)イブニングドレスを効果的に使ったエスカーダ・ブティック=エスカーダ・ジャパン提供拡大(2)イブニングドレスを効果的に使ったエスカーダ・ブティック=エスカーダ・ジャパン提供

写真:(3)阪急うめだ本店のリニューアルした「JIMMY CHOO」=竹端写す拡大(3)阪急うめだ本店のリニューアルした「JIMMY CHOO」=竹端写す

写真:数多くの店舗の内外装を手掛ける「ギャルド」の梶原章氏=竹端写す拡大数多くの店舗の内外装を手掛ける「ギャルド」の梶原章氏=竹端写す

 衣替えの春は、様々なブランド店がオープンする季節。百貨店や大型路面店の新規出店、既存店のリニューアルと様々で、心をくすぐる仕掛けもたくさんある。店づくりにも、時代に合わせた流れがみえる。

 まず足を運んでみたいのが、「流動系」とも呼べる新しい形態のお店たち。

 代表格は、ブランド旗艦店が軒を連ねる銀座に3月に登場した「エルトブテップ・イッセイミヤケ」=(1)。イッセイミヤケやプリーツプリーズなど、全ブランドを横断的に扱う複合店だ。

 ガランとした白い空間に移動可能なハンガーラックや棚が並ぶ。ディスプレーの変化で、行く度に違う店に来た気分を味わえる仕掛けだ。

 内装を手掛けたのはロッテの「キシリトールガム」や「明治おいしい牛乳」などのデザインで知られるグラフィックデザイナーの佐藤卓。「季節や時間と共に変化する、流動的空間を目指した」という。時には店がイベント会場にもなる。「多様、可変がキーワード。変化する銀座に対応しながら、銀座を変える情報発信もしていければ」(同ブランド)と話す。

 六本木ヒルズのエスカーダ・ブティックも3月にリニューアル。店内につるされたカラフルなイブニングドレスを定期的に入れかえ来客の目を楽しませる(2)。

 もう一つ楽しみなのが、店舗全体で気分を演出する「空間系」のお店だ。

 大阪では2月、高級靴ブランド、ジミー・チュウが阪急うめだ本店内のショップを改装した。アジアでは唯一、特別にコンセプトを絞った店。鏡をモザイク状に貼り合わせた開放的なエントランスが印象的(3)。店内のマネキンはトラベル支度で、仕事やプライベートで自由奔放に世界を飛び回る「ジェットセッター」気分を演出する。

 福岡では3月、エイチ・ツー・オーリテイリングが九州初進出の博多阪急をオープンさせた。コンセプトは「暮らしの学校」。レトロ感も織り交ぜながら、白が基調の店全体をキャンパスに見立てる。

 高島屋との共同開発商品などもそろえるが、注目を集めそうなのが、セレクトショップのユナイテッドアローズが社内の4タイプの店をミックスした「アーキペラゴ」。幅広いテイストを一つの店舗の中で調和させている。

 店舗デザインの専門誌「商店建築」の山倉礼士編集長は、「流動系」も「空間系」も店全体でブランドの世界観を打ち出す点は共通とみる。

 「一見ラフな空間でディスプレーの良さをアピールするのも、世界観を打ち出す手法の一つ。今は何でもネットで買える時代。来店自体が楽しいと思わせる工夫が大事になってきています」(竹端直樹)

■店舗デザイン・梶原章さんに聞く 和室の可変性を売り場に

 銀座三越や博多阪急などの百貨店や、高級ブランドの路面店のデザインを手掛けてきたギャルド・ユウ・エス・ピイの梶原章・執行役員に、最近の店舗デザインについて話を聞いた。

    ◇

 百貨店の開店やリニューアルでは、それぞれが持つ「らしさ」をどう復興させるかが重要。三越なら吹き抜けとシャンデリア、阪急なら植物モチーフとステンドグラス風の窓を、どうアレンジするか。お客さんをワクワクさせる「劇場空間」を目指す点は共通。入った瞬間にテンションが上がる仕掛けづくりです。

 好景気の頃は半年ごとに部分リニューアルを繰り返す百貨店が多かった。最近は「飽きのこない店を最初からしっかりつくる」「環境、空間で物語を語る」という考えに変わってきています。

 一方、原宿や渋谷のセレクトショップなどでは、売り場を固定せず棚やハンガーラックを自由に移動させる売り方が出てきました。店内に掛ける服も、毎朝入れ替えます。

 和室が持っていた機能性や可変性を上手に売り場に持ち込んだようにも見えます。部屋を通路でつなぐ欧米のミュージアム型売り場とは違う、日本人独自のDNAだといえるでしょう。

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