2011年5月13日19時28分
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資生堂は14日、東京・銀座7丁目角に「シセイドウ ザ ギンザ」をオープンする。化粧品販売にヘアメークアップサロン、フォトスタジオなどを備えた総合的な美の殿堂を目指す。創業140周年を来年に控え、本社社屋の建て替えや東京銀座資生堂ビルの一部改装などと一体で進める「資生堂−銀座 未来計画」の一環。13日には、隣にリニューアルオープンした資生堂パーラーのレストランと合わせて内覧会が開かれた。(アサヒ・コム編集部)
「ザ ギンザ」の店舗部分は3階に分かれており、売り場面積は約250坪。店内デザインは、ロンドンのセルフリッジデパートなどのデザインを手がけたクライン・ダイサム・アーキテクツが担当、アーチを多用したモダンながらも暖かみある雰囲気に仕上がっている。スタッフの制服は、東京ブランド「SOMARTA」のデザイナー、廣川玉枝が手がけた。
1階の「ビューティーマルシェ(物販)」のフロアは、洗顔、スキンケア、メークアップなどカテゴリー別に分けられた商品が並ぶ。同社の全ブランドを自由に手に取りながら選ぶことができる。タッチパネル式の情報端末を使い、自身の画像と商品情報を組みあわせ、口紅やアイシャドーなども実際に試し塗りしたようにバーチャルで楽しめる。
2階で目を引くのは、有料のパウダールーム「ドレッシングテーブル」。それぞれ趣向を凝らした個室風ブースでは、化粧品やドライヤーなどの貸し出しをはじめ、休憩、着替えなども可能。フリードリンク付きで、「得意先回りでふと空いた時間などに使ってほしい」という。
ヘアアレンジやメークなどをポイント的にプロに頼むことができる「ビューティーブーストバー」には、フォトスタジオも併設されている。最近増えているという、証明書やブログなどに掲載する目的の写真撮影も見込んでいるとか。
3階は黒を基調に高級感を醸し出したフロアで、高級化粧品ライン「クレ・ド・ポー・ボーテ」の対面販売やカウンセリングを行うカウンター、エステティックサロンなどを備える。最新機器を用いて素肌や似合う色を分析したり、髪形をシミュレーションしたりするビューティーレッスンのコーナーも。
同社では1916年、銀座中央通りに面する7丁目角に同社化粧品部を設置して以来、この地を新しい美や文化を発信する空間と位置付けてきた。09年6月から、化粧品や衣類の販売が主だった前身の「ザ・ギンザ」ビルの建て替えに着手していた。
銀座・並木通りに構える本社社屋は2013年のオープンを目指して今月から建て替え作業が始まる。また2001年、旧資生堂パーラー跡地に完成した東京銀座資生堂ビルも、10周年を機に改装。1階にはパーラーの名物料理「クロケット」やパスタソースなどを自宅で楽しめるデリカテッセンを開設した。11階もカジュアルなレストラン「FARO slow time」に衣替え。
この4月に52歳で就任したばかりの末川久幸社長は「美しさは元気を届けるエネルギーになる。銀座の街から美を発信し、日本を元気にしていきたい」と話した。