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米仏の若手デザイナー2人に聞く 斬新さ 遊び心 輝く

2011年5月28日10時18分

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写真:オリビエ・ティスケンス。1977年ベルギー生まれ。97年に自らのブランドを設立、10年から現職拡大オリビエ・ティスケンス。1977年ベルギー生まれ。97年に自らのブランドを設立、10年から現職

写真:「ティスケンスセオリー」2011年秋冬NYコレクション拡大「ティスケンスセオリー」2011年秋冬NYコレクション

写真:ガレス・ピュー。1981年英国生まれ。06年にロンドン、08年からパリ・コレクション参加拡大ガレス・ピュー。1981年英国生まれ。06年にロンドン、08年からパリ・コレクション参加

写真:ガレス・ピュー2011年秋冬パリ・コレクション拡大ガレス・ピュー2011年秋冬パリ・コレクション

 世界的に次代を担う若手の有力デザイナーが不在と言われてきたファッション界。そんな中で、注目が集まるのがこの2人。米国でブランド「セオリー」を手がけるベルギー出身のオリビエ・ティスケンスとパリで活躍する英国人ガレス・ピューだ。新作や服作りへの思いを聞いた。

◆オリビエ・ティスケンス 絵を描かずデザイン

 「セオリー」は、働く女性向けのイメージが強いブランドだったが、昨年、オリビエ・ティスケンスを新ライン「ティスケンスセオリー」のデザイナーに迎えた。ロシャス、ニナ・リッチという高級ブランドを歴任したデザイナー。新作ではグレーや黒を基調に、主張ある強い女性像を打ち出した。

 ――新作では何を目指しましたか。

 「新しい、今までにない都会的な服を作りたいと考えている。いつもは絵を描いてからデザインするが、今回は絵を描かず、もっと直接的に取り組んだ。形とパターン作りの技術に集中し、ちょっとカットがおもしろいものを目指した。ドレープも布を直接ボディに当てながら作り出した。日本の着物から発想したコートやジャケットもある」

 ――高級ブランドを経験した後にセオリーに入った理由はなんですか。

 「中間的な価格で近づきやすい服を作りたかったから、未来のあるおもしろい企画だと思った。今年の秋冬からはセオリー全体のデザイン監修もしている。ブランド自体が自らを語りすぎないというスタンスが自分の考えと合う。チームで仕事をするよさも感じる。ジーンズ、ニットなど部門のプロがいて、デザインに集中できる」

 ――あなたにとってファッションとは。

 「素材を使って遊んできたようなもので、仕事とは思わない。いつも自分が女性だったら着たいかどうか考えてデザインする。ファッションは自分の情熱そのもので、自分はその中から生まれてきたように感じています」

 (安部美香子)

◆ガレス・ピュー 美しいけど、奇妙に

 誇張した大きな襟、トゲが生えたコート。ピューは未来戦士風の前衛的なスタイルで、世界のファッションを学ぶ学生に最も憧れられるデザイナーの一人だ。

 ――新作はいつもより柔らかく軽やかでした。

 「光と再生をテーマに、よりフェミニンさを取り入れました。初めて黒以外の色、青とゴールドも使ってみた。ハードとソフト、男性と女性など相対する要素を混和させることで、どこか調子はずれの面白い空気が生まれます。一見美しいけれど、何となく奇妙な感じ。そういうことが、困難な時代の中でも前に進むための何かとっかかりになるのでは、と思って」

 ――前季はショーではなく映像で発表しました。

 「50年以上もショーという同じ方法を取り続けていることに疑問を感じたから。大資本が牛耳る商売優先のシステムが拡大する中で、デザイナーが発表方法を制御する力を取り戻す必要がある。ファッションとは時代と共に進化すること。映像はその一つです」

 ――今後の新たな試みは

 「今は世界中で政治も経済も大混乱していて、人々はお金の心配をする一方で、ファッションに夢を求めている。自分は、一部の特定の人に向けて服を作っていきたい。私自身が喜び、美しいと思うものだけに絞る。それにはとても時間がかかり、背後にたくさんの思考や手仕事が必要。服にもっと愛情を注ぐことが大事だと思うのです」

 (編集委員・高橋牧子)

◆写真は大原広和氏撮影

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