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生きざま表し面影を作る手助けに デザイナー・山本耀司

2011年5月31日10時53分

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写真:6月2日から12日まで、その軌跡をたどる写真展を東京都港区のヨウジヤマモト青山店で開催する。写真は佐藤修造氏撮影拡大6月2日から12日まで、その軌跡をたどる写真展を東京都港区のヨウジヤマモト青山店で開催する。写真は佐藤修造氏撮影

 「黒の衝撃」と騒がれたパリ・コレクションの鮮烈なデビューから30年。山本耀司(67)は、優雅で思索的な服作りと、パリモードの伝統に石を投げるような批評性で世界的に知られる。英国で回顧展が開かれるなど、その仕事がいま改めて注目されている。

    ◇

 3月の大震災の報は、展覧会が開催中のロンドンで?

 「ええ。そういう状況下でファッションは、現実から最も遠いものかと。何かやる時は全力を尽くすことに決めているけど、僕なんか得意なのは服を作ることだけ。誰も、何も助けられないと痛感した。ただ、ファッションは必需品じゃないからこそ、何か人の心を引きたてるのではないかとも」

 それが「反逆児」と評されてきたゆえんでしょうか。

 「ずっと、その時々の出来事への疑問や怒りを投げ掛けることを物作りの基本にしてきました。ファッションは、生きざまを表すものです。人の印象を語る時に、物静かだとか偉そうだとか面影を語るでしょう。その面影を作るのにファッションが大事な手助けをするのだと思うのです」

 展覧会などでは、「面影の逆襲」ともコメントされましたね。

 「最近のファッションは、髪から爪の先までプロまかせの没個性化や、幼児性への熱狂、女性たちの度を越した露出ぶり……。そんな姿って面影もクソもない。だから、僕の場合は服を作り込まずに15%くらいあえて手を抜く。裁断の時にも、素材が勝手に行きたがっているような所にハサミを入れる。後は着る人自身に任せる。それが楽しくてやってるようなものです」

 一昨年、会社を整理して投資会社に託しました。

 「経営を他人に任せ過ぎたせい。過剰投資などに気付いたのは、10年秋冬コレクションを最後に引退しようと決めた頃。人生って不思議ですね。今はかえって仕事がしやすくなった。今後は、あまり大げさではなく、若手デザイナーの応援もしていきたい。商売が成立しやすいよう、百貨店に彼らの商品の掛け率を下げてくれって進言したりね」(編集委員・高橋牧子)

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