2011年6月6日10時15分
今年の夏は、カジュアル感があるのにきちんとして見える、定番のスタイルが注目されている。エスニックや明るい色など、新しい要素をミックスするさじ加減が、ポイント。都内のセレクトショップなどに最新の着こなし方を聞いた。
■ロンハーマン
上質でシンプルな西海岸スタイルで、ファッション好きの男女に注目されているセレクトショップ、ロンハーマン千駄ケ谷店。夏にかけ、「爽やかで健康的。心地よい素材感を楽しむ服」を勧める。
なかでも今年のトレンドアイテムのシャツと、カット・オフ・デニムのボトムの組み合わせがイチオシ。米国のフランク&アイリーンのコットンシャツ(1万9950円)は、しわ加工が自然で、第1ボタンの位置や開き具合が首や胸元をきれいに見せる。
米国のマザーのパンツ(2万4150円)は、デニム特有のごわごわ感がなく履き心地がいい。そんな気負いのないスタイルにジバンシィのサンダル(8万4000円)などで「大人の上質感をプラスするのがこつ」(バイヤーの根岸由香里さん)だ=写真[1]。
震災後、落ち着かない人も多いだろう。そんな時こそ、「自分が好きな物を信じることで元気になれるのでは」と根岸さん。オレンジなど明るい色や、天然石のアクセサリーで気分を変えて欲しいという。
■H&M
レディースの大きなトレンドは、華やかで、都会的なマリンスタイル。ジル・サンダーやジュンヤ・ワタナベなど多くのブランドが手がけている。
スウェーデン発のH&Mも、鮮やかな色や異なる風合いをミックスした「新マリン」を推す。ボーダーのタンクトップ(3990円)は、白地にビビッドグリーンの縞(しま)柄。ボトムはあえて朱色のハイウエストのスカート(3990円)などを合わせて、色の対比を楽しむのが今年風という=写真[2]。
一方、ジャケットやカーディガンなどの羽織物や靴、ベルトは、ベージュなどのナチュラルカラー。アクセサリーは、鳥の羽飾りや北米先住民に伝わるお守り「ドリームキャッチャー」風など、エスニックなものを勧める。「マリンのきっぱりとした感じに自然なおだやかさを加える。見る人も着る人も気持ちよく、どこか安心感を与える格好が新鮮では」と広報のミエ・アントンさんは話している。
■ストラスブルゴ
値頃感のあるジャケットをシャツなどとコーディネートして買う客が増えているというのは、セレクトショップ、ストラスブルゴ南青山店の中村正明店長だ。客層は40〜50代が中心。イタリア製の輸入もの、オーダーものなどがそろう。
軽くて楽なスーツやジャケットが人気だが、オススメはラルディーニのジャケット。名だたる有名ブランドに、製品を提供してきた「実力派」だ。
一番人気は、紺のチェック柄に洗いをかけたシルクのジャケット(13万1250円)。コットンと違い、洗っても光沢感が残り、カジュアルになりすぎない。
紺のジャケットには白のシャツが定番だが、中村店長は同系色のダンガリーのシャツを提案する。トーンを重ねる着こなし。ジャケットの色を拾うので清涼感が出るという。
例えば、高級シャツブランド、フライのオーダーもの(4万4100円)に、ストレッチ素材に洗いをかけたインコテックスのパンツ(2万8350円)を合わせる=写真[3]。「かしこまっていないが、ラフすぎでもない。今年の夏は、そんなさじ加減が大事です」(中村店長)という。