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自由な帽子 生きてる証し デザイナー平田暁夫 展覧会

2011年6月13日10時33分

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カラー写真:平田暁夫(あきお)さん=東京・西麻布のアトリエ 拡大平田暁夫(あきお)さん=東京・西麻布のアトリエ

写真:1992年の個展用につくった「木漏れ日」 拡大1992年の個展用につくった「木漏れ日」

写真:白地にブルーの飾りが美しい帽子=文化出版局「ミセス」提供 拡大白地にブルーの飾りが美しい帽子=文化出版局「ミセス」提供

 国際的な帽子デザイナー、平田暁夫(あきお)(86)の70年にわたる創作活動をたどる展覧会が、15日から都内で開催される。はっとするような革新性と華麗な作風で、国内外のモード界にも大きな影響を与えてきた。自在な技や独創性が改めてみずみずしい可能性を感じさせる。

 奔放に波打つ麦わら帽や鳥のくちばし形キャップ、花飾りが鎮座する上品なトーク帽も……。平田の帽子は、優雅さの中に、不思議な高揚感を誘う。

 「ヒラタノボウシ 平田暁夫帽子展〜伝統のフォルム・未来へのエスプリ〜」では、代表作と新作約100点を並べる。会場はnendoを率いる佐藤オオキにより、不織布製の数千個の帽子が宙に浮かぶ幻想的な空間にデザインするという。

 展覧会は「勧めてくれた(デザイナーの)三宅一生さんのおかげ。物づくりの心を少しでも多くの若い人に伝えたい」と平田は語る。そして、「帽子なしで来て欲しいな。想像力を養うために」とほほ笑んだ。

 1925年、長野県生まれ。14歳で東京・銀座の帽子店に「でっち奉公」した後、55年に独立してモード界に旋風を巻き起こすが、勉強をし直そうと37歳で渡仏。有名な帽子職人の下、洋服でいえばオートクチュールにあたる「オートモード」の技を磨いた。 65年に帰国後は、美智子妃殿下(当時)の帽子を制作。三宅らパリ・コレクションで活躍するデザイナーの前衛的なショー作品なども幅広く手がけてきた。

 帽子単独でも、得がたい存在感を漂わせるのが平田流。かつて写真家ジャンルー・シーフが平田の作品を撮った時、モデルを裸身にして顔まで隠してしまったこともあったという。

 コムデギャルソンのパリ・コレでは「タンスの肥やしになった感じを」に応えて、つぶれた花飾りつきの帽子。ヨウジヤマモトでは1メートルものつば付き帽で観客を驚かせた。「世にないものを作り上げる喜び。こんな自由な考えの人もいるとわかればいいと思って」

 帽子は頭の形とサイズ感が勝負という。「顔を変えるわけにいかないから、帽子は遊びの額縁。心の余裕は生きてる証しで、おしゃれの欲望がなくなったら人生つまんないんじゃない」

 26日まで。港区のスパイラルガーデンで。無料。

 (編集委員・高橋牧子)

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