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海外ブランド 和と共演

2011年7月4日12時39分

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写真:京都・金閣寺の方丈にグッチのバッグを展示した「時の贈り物」展拡大京都・金閣寺の方丈にグッチのバッグを展示した「時の贈り物」展

写真:龍村美術織物の生地を使ったフェンディのバッグ「ピーカブー」(左)と「バゲット」拡大龍村美術織物の生地を使ったフェンディのバッグ「ピーカブー」(左)と「バゲット」

写真:川島織物の生地を使用したジョルジオ・アルマーニのバッグ拡大川島織物の生地を使用したジョルジオ・アルマーニのバッグ

写真:グッチ本社のパトリツィオ・ディ・マルコ社長兼CEO拡大グッチ本社のパトリツィオ・ディ・マルコ社長兼CEO

 海外有名ブランドと日本の伝統的な職人技との協業が、目立っている。共に組むことで、時代や国境を超えて存在する伝統技を強調しようとの試みのようだ。

◆グッチ 金閣寺で巧みな演出

 グッチが、京都の世界遺産、金閣寺(鹿苑寺)の本堂にあたる方丈で、バッグを展示する「時の贈り物」展を開いている。設立90周年を記念する催しだ。

 方丈には創業から現在までのバッグ約70点を並べ、江戸期の狩野派の絵師による水墨のふすま絵を、巧みに展示に取り込んでいる。

 最初の間は、木漏れ日のような照明の下、画中の仙人が旅支度を始めるというイメージ。仙人の個性に合わせてスーツケースやゴルフバッグが置かれる。次の間は、竹を取っ手に使ったバンブーバッグなどを、深い森の中の花や川に見立てて配置。別間には、京都の竹を用いた1959年作のバンブーバッグも。

 金閣寺が一企業に場を提供するのは初めて。有馬頼底住職は「ともに手作りの伝統工芸。良いもの同士は見事に融合することに驚いた」と話す。展示を監修した京都造形芸術大学の千住博学長は、商品の宣伝だけにならないように気を配ったという。「観客の方に真正面を向くバッグはひとつもないでしょ。想像力を働かせて、楽しんでもらえれば」と語った。

 7月13日まで。入場料1200円。

◆高島屋 数々の限定品

 高島屋が、創業180周年を機に発表した「ヘリテージ・コレクション」も、老舗のラグジュアリーブランドが、「和の美」と共演している。

 フェンディは京都の老舗帯ブランド、龍村美術織物とコラボレーション。龍村の織物の上にミンクの毛皮をストライプに配したショールや、バッグ「バゲット」の新作などを発表した。ジョルジオ・アルマーニは、川島織物の生地を用いた限定バッグを発表。日本の帯を思わせる柄がバッグに豊かな表情を与える。

 高島屋史料館所蔵の能装束の柄と、お得意のペイズリー柄をミックスさせたのはエトロ。オリジナルプリントのショールは、ブランドの魅力の幅をより一層広げる。

 「百貨店の役割をもう一度見直そうと、お付き合いのあるブランドにお声掛けした結果、数々の限定品が生まれた」と語るのは、高島屋の森田誠セントラルバイヤー。

 老舗百貨店の熱意に押され、ブランド側も京都のもの作りの現場にまで足を運んだという。生まれたのは西洋と東洋の職人技ががっぷり四つに組んだ新しい美といえる。

 森田バイヤーは「こうして生まれた限定品が、いつか新たな定番アイテムになってほしい」と語る。8月末から発売開始。(竹端直樹)

◆「文化貢献でつながりたい」グッチCEO

 グッチのパトリツィオ・ディ・マルコ社長兼最高経営責任者(CEO)は、いち早く企業の歴史や伝統技の訴求に励んできた。昨年は前年比約18%増の27億ユーロを売り上げるなど敏腕で知られる。

    ◇

 今回の企画は日本とイタリアの職人技だけでなく、哲学や文化も調和し、互いを引き立てている。陳列されたバッグは単なる消費財としてのバッグには見えない。グッチは職人の心で支えられてきた。先が読めない社会の中で、歴史と伝統を灯台のように見て、未来に向かうことが必要なのではないか。

 日本は今後も大規模市場に変わりない。そこでシェアを取るために、ブランドのことを本当に理解してもらうことが大切。こういう企画や古い映画の修復といった文化貢献で、消費者と直接つながりたい。(編集委員・高橋牧子)

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