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12年春夏パリ・メンズコレクション 柄を巧みに、色を鮮烈に

2011年7月11日10時48分

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写真:ランバン[1]拡大ランバン[1]

写真:ラフ・シモンズ[2]拡大ラフ・シモンズ[2]

写真:ルイ・ヴィトン[3]拡大ルイ・ヴィトン[3]

写真:イヴ・サンローラン[4]拡大イヴ・サンローラン[4]

写真:ディオール・オム[5]拡大ディオール・オム[5]

写真:コムデギャルソン[6]拡大コムデギャルソン[6]

写真:ケンゾー[7]拡大ケンゾー[7]

 6月末に行われた2012年春夏のパリ・メンズコレクションは初日に、差別発言で訴えられていたジョン・ガリアーノの初公判が重なった。カリスマが欠ける中だったが、個人的な経験や思いを起点にしたデザインに魅力を感じた。

■チェックで個性

 柔らかな異素材の重ね着や表面が美しく波打つ箱形のコート。「女性的な男性服に男性的要素を加える」という複雑なコンセプトで、頭一つ抜きんでたのはランバンだった=[1]。ミリタリーの要素を使いながら、全体にマスキュリン(男性的)色を醸し出す。

 肩のラインは複数あり、モデルの髪形も不統一。アーティスティック・ディレクターのアルベール・エルバスは「目指したのはマスキュリンとリラックスの間。モデルには個々にスタイルを持たせた。店で選択するように人生でも選択をしなければ」と語る。

 秋冬に続きポイントになったのはチェック柄。ただし表現はより巧妙だ。

 ラフ・シモンズは鮮やかなチェックのナイロン生地で箱形のコートやジャケット、Tシャツを展開=[2]。切り替えを多用し、チェックを新たなイメージに転換した。実験的な服作りで知られるが、今回は「誰の目にも分かりやすい服をつくりたかった」と話す。

 ルイ・ヴィトンはアフリカをテーマにスポーティーな旅行スタイルを提案。紺やアースカラーのブルゾンやパーカなどが続く中、突如、赤と青のマサイ族風のチェックが登場した=[3]。これが人気のダミエ柄につながる仕掛けで、会場の心を一瞬でつかんだ。

 今回から、メンズのディレクターにキム・ジョーンズが就任。幼少期をアフリカで過ごしたという。今後への期待感を抱かせた。

 複数の色でコレクションをまとめるショーも目立った。筆頭は「黒と青、白、アースカラー」という展開を見せたイヴ・サンローラン=[4]。背中にポケットが付いたサファリや前裾の丸いトレンチコートなど、アースカラーのシリーズが特に魅力的だった。

 「白、黒、灰色、ベージュ、青」と展開したのはディオール・オム=[5]。上下同色でも、異素材の組み合わせで服の印象を広げる。

 コムデギャルソン=[6]は大きく「黒、白、ピンク、黒」の流れ。テーラリングにライダースやフリルなど異質な要素を加え、「パンク」な反骨精神を表現した。

 「白、カーキ、アイボリー、アクアグリーン」の展開を「極楽鳥花」のプリントで貫いたのはジバンシィ。「自然なアースカラーをより美しく見せたかった」とデザイナーのリカルド・ティッシ。

■新潮流への期待

 日差しが降り注ぐ会場を選ぶなど、野外の気分を取り込む流れも目立った。

 ジュンヤ・ワタナベは屋外庭園の芝生で庭師の作業着、オーバーオールを提案。ケンゾーは青、緑、黄色などトロピカルなスーツやアロハ調の花柄を多用した=[7]。デザイナーのアントニオ・マラスは「浜辺に集う60年代の男女の写真から発想を広げた」と話す。

 デザイナー不在から再出発し、チーム制で挑んだブランドも要注目。新生イッセイミヤケメンは形状へのこだわりを抑え、染めによる素材作りに専心。さっぱりとした印象を残す青い服で今後の指針を示した。

 そしてジョン・ガリアーノ。ミリタリーやプレッピーなど四つの要素をコンパクトにまとめた。新たにチームを率いるビル・ゲイテンは「ガリアーノとは20年以上のつき合い。このブランドのこともよく分かってる。プレッシャーはあったが、やりとげた」。

 ヨウジヤマモトは、友禅染を駆使して武士の精神を表現した。アダム・キメルはパリで初のショー。「サンディエゴで波に乗る友人のサーファーたちの精神を形にしてみた」という。

 「〜年代風」という回顧型デザインが長く続いてきたが、そろそろ、それも終息か。そんな淡い期待を抱かせるシーズンになった。(竹端直樹)

◆写真は大原広和氏撮影

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