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2012年6月4日10時39分
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成熟する自然派化粧品 駅ビル・百貨店に続々

写真:渋谷ヒカリエ1階。中央は「コスメキッチン」拡大渋谷ヒカリエ1階。中央は「コスメキッチン」

写真:テラクオーレ拡大テラクオーレ

写真:ヴェレダ拡大ヴェレダ

写真:ニールズヤードレメディーズ拡大ニールズヤードレメディーズ

写真:ジュリーク「ローズミスト・バランシング」拡大ジュリーク「ローズミスト・バランシング」

写真:キールズ拡大キールズ

写真:ミッシェルビオ「ミスティーブーケ」拡大ミッシェルビオ「ミスティーブーケ」

 自然派やオーガニックと呼ばれる化粧品の人気が続く。ブランドが増え、駅ビルや百貨店へと売り場も広がる。企業の生い立ちや信念も魅力のようだ。

■創業の理念に魅力

 先月、東京の渋谷駅前に開店した「渋谷ヒカリエ」。1階には、天然成分を売りにする「自然派」の化粧品ブランドが並ぶ。「ガーデンテラスをイメージし、癒やしを感じさせる美容ブランドを集めました」と同店の浅井真理子次長。

 「コスメキッチン」は、先端ブランドのセレクトショップだ。今の話題は天然鉱物でできたミネラルコスメで、米ブランド「アリマピュア」のファンデーションがお勧めという。

 「テラクオーレ」=写真[1]=は、ハーブやハチミツを使った化粧品やアロマ製品を売る。日本人の肌に合わせて日本で企画し、イタリアで生産。現地の有機栽培認定も受けた。

 肌が弱い人への配慮もある。「コスメキッチン」は売り場でパッチテストをし、可能な限り試供品も渡してアレルギーの有無を確認してもらうという。

 「自然派(ナチュラル)」と呼べるのは、ハーブなどの天然成分を含む化粧品。欧州の企業が多く、日本には90年代、英のザ・ボディショップ、仏のロクシタンなどが入ってきた。

 さらに原料に含まれる植物を有機栽培するのが「オーガニック」化粧品で、欧米に認定機関がある。日本では2000年代半ばから注目され、06年からの5年間で売り上げは約2.8倍との予測もある(富士経済調べ、09年時点)。

 いずれも価格は数千円ほど。ドラッグストアの大量生産品より高いが、大手のブランドほどではない。

 背景には00年代のロハスブームがありそうだ。新宿伊勢丹は00年、生活提案の売り場「BPQC」を設け、自然派化粧品コーナー(現「ビューティアポセカリー」)を置いた。当初は肌荒れで普通の化粧品を使えない人が訪れたが、今は「オーガニックな生活を送りたい人」が多いという。

 創業者の信念や歴史にひかれる人もいる。

 1921年創業の「ヴェレダ」=[2]=は、シュタイナー学校で知られる人知学者ルドルフ・シュタイナーが設立。「ニールズヤードレメディーズ」=[3]=は81年、英国のロミー・フレイザーが開いた自然療法薬局が出発点。「ジュリーク」=[4]=は85年、ドイツ人科学者・植物学者夫妻が、原料から育てたいとオーストラリアに渡って作った。

 自然派ではないが、1851年に米国の調剤薬局から出発した「キールズ」=[5]=は、ほぼ無香料。基本的に、サンプルで試してから買うことができる。

 「生い立ちの真面目で優しい感じが、今の女性の生活や感覚に寄り添っている」と美容ジャーナリスト松田アヤノさん。容器のデザインが素朴で、男性も手に取りやすいという。

 ブランドも多様化する。昨年発売の「ミッシェルビオ」=[6]=は、バラの効能に着目し、3種のバラを配合する。日本で企画し、主にドイツで生産。ドイツの有機栽培認定を受けた。

 自然派化粧品に詳しい経営コンサルタント手島大輔さんは、自然派化粧品の市場を「成熟期に入った」とみる。「顧客層が広がるにつれ、効き目が高く、低価格なものが求められている。独自の販売法を確立するか、新商品で話題を呼べるかが成功の鍵になる」(安部美香子)

■伝統が生む心地よさ 「ロクシタン」創業者オリビエ・ボーサンさん

 仏プロバンス地方の伝統的な植物療法に基づき、1976年に創業した「ロクシタン」。創業者オリビエ・ボーサン(59)は、学生時代にエコロジーに目覚めた。「石油ショックを機に、明日のために何かしようと思った。当時は故郷でも、ハーブを蒸留する伝統がすたれ、自然の香りより合成の方が上等と思われていた」

 祖母の時代には精油を入れた酢に植物を浸して化粧水を作り、母はバーベナを束にして虫よけにしていた。「詩的で懐かしい習慣。香りを通じて、自然と結びついた暮らしの心地よさを感じてほしい」現在、売り上げは日本が1位。

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