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2012年6月12日10時47分
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クラゲに食虫植物 詩的なジュエリーデザインの源は

写真:5月に発売した新作「マイ・ディオール」は籐(とう)がモチーフで、彫金細工が洗練されている。リングやブレスレットを中心に価格は20万円台から約1700万円まで拡大5月に発売した新作「マイ・ディオール」は籐(とう)がモチーフで、彫金細工が洗練されている。リングやブレスレットを中心に価格は20万円台から約1700万円まで

■ジュエリー・デザイナー ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌ

 ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌは、1998年に30代の若さで老舗ディオールのジュエリー部門のトップに。以来、慣習にとらわれない詩的なデザインで世界の宝飾業界をリードしてきた。

    ◇

 ――クラゲに食虫植物、ドクロなど、ファンタジーあふれる作品の発想の源は?

 「色んな妄想からです。あらゆる女性たちの声やしぐさ、持ち物を創造のヒントにしたいと思っていて、彼女らが叙情的に現実逃避する手助けをジュエリーで与えられたら、と願っている。だから、そのすてきな世界に私が先に飛んでみるのです。たとえば、黒っぽい石でドクロを作った時は、歴史的で怖いモチーフを陽気な感じで表現したら面白いなと、“バンパイアの恋人”という物語を考えた。女性にとって色っぽい筋書きでしょ。作る方も見る方も退屈しないおとぎ話です」

 ――量感のあるカラーストーンを使い始めた理由は?

 「こんなのがあったらいいと素直に思う物を作っただけです。創造とは自由ということ。高価な石で好きな形のファッションアクセサリーを作っている感じ。それを成し遂げる伝統と職人技がディオールにはある。老舗ブランドが今に生きるために、既存の物を挑戦的に破壊しようとしたわけではなく、よりポジティブで建設的な考え方からのことです」

 ――今回の新作はいつもよりかなり地味ですね。

 「ブランドの象徴の一つ、カナージュ(籐(とう)の編み目)模様を題材に、多くの女性がつけられるようなクラシックなデザインにしました。でも細工はとても凝っている。世の中が順調に回っている時は奇抜な物でもいいけど、危機的で不安な時代には安心して毎日つけられる控えめな物がいい。今やネット社会で仮想の世界にいることの多い女性たちを、現実味のある確かなデザインで応援したい」

 ――子供の頃から大のファッション好きとか。

 「ファッションとは、自分が伝えたいメッセージを服装で表現すること。いわば文明の結晶で、他の動物にはできません。自分自身を知り、自分に正直になりながら、少し先を見ることが醍醐味(だいごみ)ですね」(編集委員・高橋牧子)

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