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【中島耕太郎】美の焦点は指先にあり。「モテ」に「女子ウケ」、「私萌(も)え」。さまざまな思いから、ネイルを楽しむ女性が増えている。2千億円市場に急成長した業界の祭典に、ブームの高まりを見た。
18日から2日間にわたって東京ビッグサイトで開かれた「東京ネイルエキスポ2012」。当日券は3千円だが、「カリスマ」と呼ばれるネイリストのテクニック解説や割安な物販、無料体験コーナーが人気を呼び、入場者が5万4千人を超える盛況となった。
17回目を迎えた「ネイルクイーン」の表彰も。AKB48の篠田麻里子は、季節に合わせて極小のスノードームやラビットファーをあしらったネイルを披露。還暦を迎えた女優の夏木マリは「年齢を重ねるほど、ネイルは必須」と、短めの爪に黒を基調としたシックなカラーリングでキメた。
最近は、乾燥に時間がかからず、現代女性の忙しい生活にマッチしたジェルネイルが大ブーム。「男性の視線への意識だけでなく、キャリア女性の身だしなみとしても広がってきた」(日本ネイリスト協会)。協会がまとめた白書によると、昨年の業界全体の売り上げは2085億円で、6年前に比べほぼ倍に。サービスを提供する店は全国に1万9500と推計され、競争の激化で価格が下がる傾向がみられるという。
とはいえ、ジェルネイルの中心価格は7千円から1万円。衛生面からも3〜4週間をめどに通うのが理想とされ、着実な売り上げ増につながっているようだ。
甲南女子大の米澤泉・准教授(化粧文化論)は「ネイルを楽しむ目的は、きれいな指先をみて気分がアガる『私萌(も)え』にある」と指摘する。1990年代半ばから、衣服にそれほどお金をかけなくなり、ネイルやメークといった「身体」に時間を使う方向に変わったという。「全体のバランスより細部にこだわるのが日本人の特徴。凝ったネイルアートは独自の文化として定着した」