現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. ファッション&スタイル
  4. コレクション
  5. 記事

【時計の祭典 ジュネーブ・サロン】2日目 カルティエ初のメンズ専門モデル

2010年1月20日

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真拡大1)カルティエ「カリブル ドゥ カルティエ」 自動巻き、ステンレスチール、ケース径42ミリ、4月発売予定。644,700円(税込み、予価)

写真拡大2)カルティエ「カリブル ドゥ カルティエ」チョコレートダイヤル、自動巻き、ピンクゴールド、ケース径42ミリ、4月発売予定。2,268,000円(税込み、予価)

写真拡大3)カルティエ「カプティヴ ドゥ カルティエ SM」 クオーツ、ピンクゴールド、ケース径27ミリ、6月発売予定。2,234,400円(税込み、予価)

写真拡大4)ラルフローレン「スリムクラシック」、手巻き、ホワイトゴールド、ケース径38ミリ、今春以降に発売予定。価格未定

写真拡大5)ラルフローレン「スティアラップ」ミディアム、自動巻き、ローズゴールド、ケース径38.7ミリ、今春以降に発売予定。価格未定

写真拡大6)ピアジェ「アルティプラノ」極薄XLモデル、自動巻き、ピンクゴールド、ケース径43ミリ、6月発売予定。2,058,000円(税込み)

写真拡大7)ピアジェ「アルティプラノ」デュオフェイス(ダイヤルが2つなので、第二時間帯が分かる)、手巻き、ピンクゴールド、ケース径43ミリ、5月発売予定。3,832,500円(税込み)

 ジュネーブ・サロン(S.I.H.H.)の2日目は、真冬ながら冷たい風がむしろ心地良く感じるほどの雲ひとつない快晴。そのせいか、会場のパレクスポまで、いつもならタクシーかシャトルバスで行くのだが、今回は初めて空港行きの市内バスを利用してみた。バス専用レーンがあるせいか、平日の通勤時間帯にもかかわらず意外に早く到着した。

 【フォトギャラリー】ジュネーブ・サロンの時計を写真で

 会場のオープンは8時半からだが、エントランスにはすでに多くの人が集まっており、セキュリティー・チェックの長い列を抜けてようやく会場内へ。ソファやテーブル席に座れば、すぐにウエートレスがオーダーを採りに来る。飲食は無料なので、まずはコーヒーをいただくことにした。

 9時15分からラルフローレンのプレス・カンファレンスに出席して会場内に戻ると、初日を上回るほどの人出が感じられた。ランチタイムの頃には、テーブル席もソファも完全に満員状態。座るためにしばらく立って待つことになった。昨年はさすがにリーマン・ショックの直撃で出足は鈍ったが、「100年に一度の金融危機」どころか、世界の時計市場は早々と完全に復活したと感じさせるほどの活況である。中でも、予想に違わず中国からのバイヤー、メディア関係者が目立った。これは体感的に2000年ごろから始まった傾向だと思う。国内総生産(GDP)も日本を抜いて世界第二位に躍り出るのは目前といわれるから、こちらとしては非常に複雑な心境になってしまうわけだ。

 スイスの時計産業は、有名ブランドが多いので錯覚されがちだが、スイス時計協会FH―TOKYOのホームページによれば、「企業の多くは100人以下の従業員を持つ小規模メーカーであり、500人以上の従業員をかかえる企業は10社前後と非常に少ないのが特徴である」と紹介されている。日本と同様に中小企業が多いわけだが、ブランドとして自立しており、世界のマーケットを相手にしているところが大きく異なる。日本のように、下請けから孫請けというピラミッド型の構造では、親会社がつまずけば突然に仕事が激減するのは当然だ。つまり、スイスの伝統産業である時計づくりは、数多くの中小企業がブランドを持つことで自立し、鍛錬を続けてきたことが強さの背景にあると考えられる。ブランド・ビジネスとして学ぶべきところは少なくないのではないだろうか。

◆カルティエ 初のメンズ特化モデル「カリブル ドゥ カルティエ」

 カルティエはジュエラーとして長い歴史を持っているが、時計も初期の頃から手がけており、1904年には世界初の紳士用腕時計を製作したことでも知られている。こうした歴史をベースに、今年はカルティエ初のメンズに特化した意欲的な新作「カリブル ドゥ カルティエ」が発表された。このカリブルとは「キャリバー(ムーブメント)」の意味であり、100%自社開発の自動巻き、キャリバー1904MCを搭載したラウンド型ケースのコレクションである。ラグもリューズガードも大きく力強い印象を与えるが、その一方で手首にぴたりとフィットするようにデザインされており、快適な装着感を得られる。ケース径も42ミリと大きめのラージサイズ。

 ダイヤルのインデックスはカルティエのデザインの特徴であるローマ数字だが、12時を大きく強調しており、ダイナミックなアクセントになっている。歴史と伝統を壊すことなく、エレガントに、かつ男性的なイメージを追求した斬新なモデルといえるだろう。この新作によって、カルティエのブティックに立ち寄る男性が急増するのではないだろうか。

 また、レディースの新作では、ダイヤルにホールを開けてラグを貫通させた「カプティヴ ドゥ カルティエ」に注目したい。カプティヴとは英語でキャプチャー、人の心を魅了する、とりこにするといった意味を含んでいる。このモデル名が象徴するように、かなり奇抜で大胆な意匠だが、上下のラグの形は非対称でも垂直的に呼応しており、一体感を損なっていない。むしろ、エレガントな「変則」ともいうべき不思議な魅力に満ちた新作だ。ケース径が27ミリと32ミリ、それに50ミリのラージサイズもそろっている。

◆ラルフローレン 11モデル34タイプを追加

 一昨年にブランドが立ち上がり、2009年のジュネーブ・サロンで初デビュー。大きな話題を集めたブランドだが、今年は3つのコレクションに11モデル34タイプを追加した。とはいってもケース形状などの基本的なデザインは同じであり、「スリムクラシック」で42ミリのケースに加えて38ミリのケースを追加するなど、サイズダウンしたモデルや、ダイヤモンドをアレンジしたモデルが中心となっている。

◆ピアジェ 世界最薄の自動巻き「アルティプラノ」

 ピアジェは宝飾時計でも有名だが、ムーブメントを自社で製作する生粋のマニファクチュールである。50年前には世界最薄の自動巻きムーブメントを開発して、ギネスブックにも記録されている。この伝統と高度な技術力を再び現代に復活。厚さがわずか2.35ミリという世界最薄の自動巻きムーブメントを開発した。マイクロローターを備えており(22Kゴールドまたはプラチナ)、パワーリザーブは40時間。ピアジェではこれをベースムーブメントとして、今後は様々なモデルに搭載していくという。

 ただし、この世界最薄自動巻きムーブメントを搭載した「アルティプラノ」スモールセコンド・モデルも2針の世界235本限定モデルも、ケース厚は5.25ミリと薄いが、ケース径は43ミリのラージサイズ。つまり、薄くしながらも、逆に時計の顔を大きくしたのである。その結果は写真の通り。スモールセコンド・モデルでは、3層構造の立体的なダイヤルによる現代的でエレガントな時計が誕生した。(ライター 笠木恵司)

◆アエラ・スタイル・マガジン 山本晃弘編集長から

ラルフローレンが機械式時計を発表したことは、2009年のS.I.H.H.のトップニュースのひとつでした。私たち取材陣はこの情報を早くからキャッチし、昨年のジュネーブ・サロンで、ラルフローレン ウオッチ&ジュエリーCEOであるギー・シャティオン氏の単独インタビューを行ったのです。そのときに彼が語ったのは、「タイムレスなデザインと本格的な機械式時計技術の融合」というコンセプト。その戦略どおり、昨年の秋口から発売された商品は、ラルフローレンの世界観が好きなファッションピープルと時計好きの両者に受け入れられ、日本を含む世界中のマーケットで好調な売り上げを記録しているようです。

 そして2年目となる今年、「スリムクラシック」「スティアラップ」「スポーティング」という三つのラインはそのままに、小ぶりのサイズを投入することで女性向けの腕時計マーケットにも本格的なアプローチを開始。中でも、従来の42ミリからサイズダウンされた38ミリ径にパベダイヤを配したモデルの「スリムクラシック」が秀逸です。スイスの職人によって刻まれたフェースのギョーシェとダイヤモンドの輝きが、絶妙のバランス。さらにサテンのストラップベルトとくれば、洗練の極み、まさにラルフ ローレンの真骨頂といえるでしょう。(AERA STYLE MAGAZINE)

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内