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【時計の祭典 ジュネーブ・サロン】3、4日目 スポーツ時計もエレガントに

2010年1月22日

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写真拡大1)ジュネーブ・サロン会場風景

写真拡大2)IWC「ポルトギーゼ・ヨットクラブ・クロノグラフ」自動巻き、ステンレススチール、ケース径45.4ミリ、7月発売予定。1,296,750円(税込み、予価)

写真拡大3)IWC「ダヴィンチ・クロノグラフ・セラミック」自動巻き、チタン&セラミック、ケース径44×52.8ミリ、6月発売予定。1,706,250円(税込み、予価)

写真拡大4)ダンヒル「ムーンフェイズ」、自動巻き、ステンレススチール、ケース径40ミリ、2月末発売予定。819,000円(税込み、予価)

写真拡大5)ジャガー・ルクルト「マスター・コンプレッサー・エクストリーム・ラボ2」自動巻き、チタン、ケース径46.8ミリ、10月発売予定。世界300本限定、5,145,000円(税込み、予価)

写真拡大6)ジャガー・ルクルト「マスター・メモボックス・インターナショナル」自動巻き、ステンレススチール、ケース径40ミリ、6月発売予定。世界750本限定、1,050,000円(税込み、予価)

写真拡大7)パネライ「ラジオミール42ミリ」手巻き、ステンレススチール、ケース径42ミリ、682,500円(税込み、予価)

 快晴だった19日とはうって変わって、20日、21日は朝から重い雰囲気の曇天で底冷えのする寒さ。寒波が去ったわけではないことを感じさせられた。しかし、パレクスポの会場に入ると、それまでと変わらない熱気に満ちており、日本人バイヤーも増え始めたようだ。ある時計専門店のベテランバイヤーに感想を尋ねると、「(時計ファンの)興味を刺激する希少な限定品が例年より多く、それも含めてマーケットをしっかり把握した新作ばかり。デザイン的にはオーセンティックで、派手さはないけど、タイムレスな魅力を持つエレガントな時計が少なくないですね。磨き抜かれた21世紀のクラシックというイメージ」と語っていた。

【フォトギャラリー】ジュネーブ・サロンの時計を写真で

 リーマン・ショックのダメージが本格化した昨年の景気動向を踏まえて、新作を数多くではなく、ブランドのアイコンとなる代表的なモデルに絞り込み、時代のテイストを反映させながら、長く使えて飽きることのないエレガントなデザインが追求されたようだ。

 スポーツ・ウオッチでは、一昨年、昨年と続いた防水性に優れたダイバーズの新作ラッシュがほぼ終息。やはりエレガントで高機能な時計が多くなってきたと感じられる。また、ダイヤルも高度な職人技が必要な複雑で立体的な構成が増えてきた。いわば「時計の中の小宇宙(あるいはジオラマ)」という感覚が、現代の高級時計を彩るキーワードの一つといえるかもしれない。

◆IWC 「ポルトギーゼ」を中心にリニューアル

 1868年に創業したIWCは、スイスのドイツ語圏にあたるシャフハウゼンに本社があり、技術力が高く評価されている本格派ブランド。パイロット・ウオッチなどコレクションは数多く、価格帯も幅広いが、今年は傑作モデル「ポルトギーゼ」を中心に新作やリニューアル・モデルが登場した。この「ポルトギーゼ」は1939年にポルトガル人がオーダーした「航海用のマリンクロノメーターに匹敵する高精度時計」をルーツとしており、懐中時計のムーブメントを腕時計に搭載したため、初期の頃からラージケースを採用したコレクションである。

 こうした海との関係を再び思い起こさせる、新たなモデルとして登場したのが「ヨットクラブ」だ。端正で知的なデザインに防水性などのスポーツテイストを加えており、ベルトもブラックラバーだが、クラシカルで上品なイメージはしっかりと継承されている。そのほか、シンプルなスモールセコンドの「ハンドワインド(手巻き)」から、トゥールビヨン・モデルにグランド・コンプリケーション(クロノグラフ・永久カレンダー・ミニッツリピーター)など、高度な技術力を遺憾なく発揮した多彩なモデルが登場した。

 さらに、このブランドの歴史的な代表昨「ダ・ヴィンチ」でも、セラミックとチタンのコンビネーション・ケースの新作を追加。3層構造で立体感のあるダイヤル構成も魅力だ。

◆ダンヒル スポーティーかつラグジュアリーな「ムーンフェイズ」

 ダンヒルはメンズの総合的なファッション・ブランドだが、時計も1世紀以上前から手がけてきた。ここ数年は新作がなかったが、ジャガー・ルクルトとパートナーシップを復活(1950年代から60年代に協力関係)。昨年10月に風防ガラスが3段にカットされた「ファセット」、シンプルなスモールセコンド・モデルの「クラシック」を発表。

 ジュネーブ・サロンでは、さらに「ムーンフェイズ」がデビューした。月齢を表示するクラシックな機能だが、ケースはステンレススチールにブラックPVD加工。曜日と月のカレンダー表示が左右の小窓に、外周にポインターデート(日付表示)と、現代的でスポーティーなイメージ。ダンヒルらしいラグジュアリーな雰囲気も漂わせている。

◆ジャガー・ルクルト 今年も数多くの新作を発表」

 今年は新作を絞り込む傾向が見られることを冒頭で触れたが、ジャガー・ルクルトは例年のように、すべてを紹介すれば立派なカタログができるほど数多くの新作が登場した。1833年に創業したスイスでも老舗(しにせ)のブランドであり、マニュファクチュールとして多彩なムーブメントを開発してきた技術蓄積があるからだ。

 中でも「マスター・コンプレッサー・エクストリーム・ラボ2」が新作のフラッグシップといえよう。ダイヤルの地板がスケルトンになっており、複雑なメカニズムを堪能できるだけでなく、過酷な状況での精度、信頼性、頑丈さも追求されている。ヒマラヤの未踏の山頂に挑戦した「アントワーヌ・ルクルト隊」にも携行され、その成功を支えたという。

 都市で活躍するビジネスマンにとっては、アラーム付きの「マスター・メモボックス・インターナショナル」が実用性の高い時計となるだろう。セットした時間になると、アラーム音が20秒以上続く。機械式なので、クオーツのアラームでは感じられないアコースティックな音色が特徴だ。

◆パネライ ケース径42ミリの「ラジオミール」

 パネライは、イタリア海軍の特殊部隊用に開発されたダイバーズ・ウオッチを1990年代前半に民間市販して、短期間のうちに世界を席巻したブランド。クッション型のラージケースで知られており、大型のリューズガードを備えた「ルミノール」と丸型の大きなリューズが特徴的な「ラジオミール」の2つが基本的なコレクション。

 どらちも自社製ムーブメントによる新作が追加されたが、ビジネスマンへのイチオシはケース径42ミリの「ラジオミール」だ。これまではケース径が45ミリと大きかったが、何と10年ぶりにケースサイズをダウンしたという。しかも、新型の薄型ムーブメントを搭載。ケース厚も抑えられているので、スーツにも実に良く似合う。100メートル防水でダイヤルの視認性も高い、イタリアン・ダンディーな実力派である。(ライター 笠木恵司)

◆アエラ・スタイル・マガジン 山本晃弘編集長から

 どんな腕時計をしているかによって、どんな男性かがわかります。その意味で、腕時計はクルマとよく似ているといってもいいでしょう。機能を重視するのか、デザインを重視するのか。スポーティさを好むのか、エレガントさを好むのか。IWCは、こういったあらゆるニーズにオールマイティーに応えることできる数少ないブランドです。機能的でかつ美しいデザイン、スポーティーでありつつもエレガントでもあり。

 そしてIWCが人気ブランドであり続けている最大のポイントは、つけている人を知的に見せてくれるところだと思います。IWCが社会貢献活動に熱心なことも、その背景にあるかもしれません。ガラパゴス島の環境保護活動、スポーツを通じて世界中の恵まれない子供たちを応援するローレウス財団との活動、カーボンニュートラルへの取り組みなどなど。その活動は、多岐にわたります。

 IWCのCEOジョージ・カーン氏に何度かインタビューした経験からいうと、こうした社会貢献の陣頭指揮を執っているのは彼自身のようです。そういった意味においても、時計業界のリーダーといっても過言ではありません。

 今年のS.I.H.H.でも変わらず活況を呈しているIWCのブースで「ポルトギーゼ」の新作腕時計を見ながら、そんなことを考えたのでした。(AERA STYLE MAGAZINE)

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