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11年春夏パリ・コレクション(1) 自然で上品?すごみや刺激?

2010年10月22日10時18分

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写真:(1)コムデギャルソン拡大(1)コムデギャルソン

写真:(2)ルイ・ヴィトン拡大(2)ルイ・ヴィトン

写真:(3)シャネル拡大(3)シャネル

 ナチュラルで上品な楽しさか、または心を揺さぶるような刺激か? パリで9月末から9日間の日程で開かれた2011年春夏パリ・コレクションは、社会の重苦しさや不安を何とか打破したいという願いを込めたような積極的な表現が目立った。久しぶりに、明るい色使いも満載。上質な生地できちんと仕立てた服の価値を改めて提示しようとの意気込みも強く感じられた。

 袖が4本もあるコート、背中に2着の上着がたなびくジャケット=(1)。コムデギャルソンの新作は、人を挑発して考え込ませるような造形のオンパレードだった。リクルート風スーツの腕がテープで拘束され、3着のドレスが一部でつながっている。鎮魂歌調の曲が流れる中で並ぶ服の数々は、よく見ると、それぞれのパーツは端正なテーラード仕立て。同時に、フェミニンな優雅さも漂わせる。

 デザイナーの川久保玲は「閉塞(へいそく)感ばかりの中で、心の深いところを揺さぶれば少し前に進むかと」と舞台裏で語った。いつものもっと複雑な謎解きと比べて今回は直球ともいえる問いかけだが、こんなまっすぐな問いがいま求められているのかもしれない。

 ルイ・ヴィトンも前シーズンの優美な50年代スタイルから一転、どぎついほどのレトロなシノワズリ(中国趣味)スタイルで驚かせた=(2)。ステージには、剥製(はくせい)ふうの大きなトラが3頭。中国市場への意識があるのかもしれないが、それにしてもはっとするような毒気とすごみがある。70年代に欧州で起きた、ケンゾーやイッセイミヤケなどによるアジアンブームに影響を受けたのだという。

 シャネルは、会場のグラン・パレの床全面にフランス式の大庭園をしつらえた。なかに噴水が三つ、音楽は生のオーケストラという豪華さだ。とはいえ、作品はカジュアルで軽やか。透かし模様入りの細身ジーンズや、ショートパンツの組み合わせ=(3)。お得意のミックスツイードは、最新技術により斑点やにじみが施されている。デザイナーは「世界は変わるし、生地も変わる。そこが面白い」とコメント。

 イヴ・サンローランも南米やアフリカの民族服を発想源に、都会的な服にいつになく大胆な色やフリルを取り入れた。手がけたステファノ・ピラーティは「今回はより自分らしさを出した」という。(編集委員・高橋牧子)

 ◆写真は大原広和氏撮影

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