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2011春夏東京コレクション

2011春夏東京コレクション速報(4)完 その原点は「夢」

2010年10月27日14時59分

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写真:シアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)拡大シアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)

写真:ソマルタ(SOMARTA)拡大ソマルタ(SOMARTA)

写真:ジャズカッツェ(jazzcatze)拡大ジャズカッツェ(jazzcatze)

 万華鏡をのぞいたような微小なきらめき、背景にとけ込むカムフラージュの面白さ――。ファッションの原点は、やはり「夢みること」にあるのだとストレートに感じさせたのが、東京コレクション最終日の「ソマルタ」と「シアタープロダクツ」のショーだった。

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 左右対称の小部屋から代わる代わるモデルが歩み出てくる。一方は小花模様の壁紙で彩られ、他方は木馬や鳥かごが雑然と置かれている。毎回凝った設定の「シアタープロダクツ」だが、今回は何やら謎解き風のウイットが潜んでいるようだ。

 小花模様の部屋から歩いて来たのは、同じような小花プリントのドレス。壁紙と重なって一瞬、服との境目を見失いそうになる。それもそのはず、今季のテーマは「カムフラージュ」。

 一方、木馬のある部屋から出て来たのは、サテンのガウン風や柔らかなレース編みのドレスなど軽やかなスタイル。レトロな受話器を持ったり、無造作に巾着(きんちゃく)を握りしめたり、日常のリラックス感が漂う。

 「空間と服の関係性に注目し、周囲の風景にとけ込むような色や柄、素材で『空間を着る』楽しさや美しさを感じてもらえたら」とデザイナー。小花模様の部屋と日常生活の部屋で、それぞれカムフラージュを表現した。室内情景などを装飾的に描いた19世紀のフランスの画家、エドゥアール・ヴュイヤールにヒントを得たという。

 ソマルタは顕微鏡などでのぞいた微小な世界がテーマ。細胞が集まったような幾何学模様を特殊な素材にプリントし、突起や輝きを感じさせる独特の生地に仕上げた。フューチャリスティックなスタイルながらも、丸みを帯びたフォルムは柔らかくおだやか。

 デザイナーの廣川玉枝は「人間や生物を形作る生命デザインの美しさにひかれた。万華鏡のような小宇宙を有機的なイメージを入れつつ未来的に表現しました」。

 二つのショーは瞬間の「夢」を見たような美しさにあふれていたが、同じ夢でもどこかに怖さを感じる予知夢のようだったのが、「ジャズカッツェ」だった。

 ふんわり膨らんだミニやリボン袖といった甘いアイテムをアクセントにしながらも、首を締め付けるチョーカーやダークトーンのプリント地など、怪しい暗さを秘めたピースが次々に繰り出される。色を抑え、目元だけを強調したメークはまるで幽霊のよう。

 スペインのガリシア地方に残るケルト文化から着想を得て、失われた故郷を求め旅を続ける彼らのスピリチュアルな考え方を表したという。デザイナーの周布歩美はいう。

 「彼らにとって、生と死は一体。前世で結ばれなかった恋人たちが死後に一緒になるようなおとぎ話を表現しました。首つりの縄をイメージしたチョーカーなどは、『キリング・ミー・ソフトリー』、愛する人に殺されたいという願望や空想の表現です」

 人はファッションで、いろいろな「夢」を見ることができる。改めて、そう感じた今季のコレクションだった。(アサヒ・コム編集部 柏木友紀 写真はすべて大原広和氏)

【2011年春夏東京コレクション速報】

速報(1) 若々しさ、それが東京スタイル

速報(2) 「ならでは」のエレガンス

速報(3) 服を見せないファッションショー

速報(4)完 その原点は「夢」

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