現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. ファッション&スタイル
  4. コレクション
  5. 記事

2011春夏東京コレクション

11年春夏・東京コレクション総括(上) 脱草食系 男らしさ回帰

2010年11月1日10時21分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:ヨシオクボ拡大ヨシオクボ

写真:バナルシックビザール拡大バナルシックビザール

写真:アットイズリール拡大アットイズリール

写真:アンリアレイジ拡大アンリアレイジ

写真:ナオシ・サワヤナギ拡大ナオシ・サワヤナギ

写真:ユイマ・ナカザト拡大ユイマ・ナカザト

写真:ガッツダイナマイトキャバレーズ拡大ガッツダイナマイトキャバレーズ

 メンズは「男らしさ」への回帰を模索。レディースは独創性を追求――。10月中旬に開かれた2011年春夏東京コレクションでは、出口の見えない閉塞(へいそく)感を打ち破るため、やりたいこと、やれることを素直に見つめ直す動きが目立った。連載の「上」は、そんな若手の挑戦を報告する。(竹端直樹、安部美香子)

■脱草食系

 東コレは、「東京発 日本ファッション・ウィーク(JFW)」の中心企画だ。インターネットの動画配信による発表も含め、約40ブランドが新作を披露。5日間の期間外にも、都内では若手を中心に様々なショーや展示会が開かれた。

 目についたのは、メンズブランドの“脱・草食系”の動きだった。

 夜の国立競技場。ヨシオクボのショーに現れたのは筋骨隆々の男たち。金歯、タトゥー、モヒカンヘアで観客を威嚇する。運び屋のドライバーを描いた映画「トランスポーター」に触発され、闘う男をテーマに選んだ。ジッパーなどを多用し、服が破れ、袖がちぎれる様を巧みに表現した。「男から見ても格好良い男を表現したかった」とデザイナーの久保嘉男。

 1980年代から90年代、渋谷などで暴れ回った若者たち「チーマー」をテーマにしたのは、バナルシックビザール(中川瞬、市毛綾乃)だ。

 フルフェースのヘルメットをかぶった長身のモデルたちが身にまとうのは、袖や背中に無数のポケットが付いたレザーのブルゾンやミリタリーウエア。過剰さから生まれる新しいシルエットで、「草食系」に挑発を仕掛けた。

 アットイズリール(高倉一浩)も「オトコ」にこだわったコレクションを発表した。テーマは「JURAKU 聚楽」。砕けたガラスを模した素材が敷き詰められたランウエーを、リーゼントのモデルたちがきらびやかに闊歩(かっぽ)する。

 細かいアニマルプリントのパーカやスカジャン、パンツのバリエーションなどを披露。美しく自由であることを忘れるな、という簡潔なメッセージが心地良く響いた。

 若手が手がける東京メンズは世界的にも注目されている。中核ブランドが発表の場を海外に移したが、今後に期待をつなぐ勢いは健在だ。

■アート表現

 一方、レディースは、アートとして表現重視の服を追求する若手が目立った。

 アンリアレイジ(森永邦彦)は、袖が大きく膨らみ、肩が上に張り出して天使の翼のように見えるドレスを発表した。上半身、下半身など体のほかの部分が膨らんだ服も。異界から降り立った聖なる生き物のよう。

 ナオシ・サワヤナギ(Naoshi)はデニムを使った着やすそうな服ながら、「環境を着る」というテーマに沿い、環境や周りの空間に目を向けさせるショーを展開。風をはらむと丸いシルエットを生むジャケットや、デニム素材のへりを使い、長野県の職人がわら靴を作る技術で編んだブーツなどを発表した。

 メンズでデビューしたユイマ・ナカザト(中里唯馬)も、独創性を前面に押し出した。砂嵐のような雑音が流れ、時代を超越した宇宙的空間は、映画のような壮大なスケールを感じさせる。アクリル板や金属など、通常は服に使われない素材を駆使して、構築的な服を発表した。

 ランウエーショーのあり方を問い直す新たな試みも増えた。

■見せ方に工夫

 東コレ初日を飾ったビューティフルピープル(熊切秀典)は東京ミッドタウンの建物や敷地内にモデルを立たせ、ベーシックながら、アンバランスな可愛さを持つアイビー・ルックを披露した。

 今後の東コレに新しい流れを生み出しそうなのが、合同展示会とランウエーショーを一会場に集約した「ルームスリンク」だ。

 約10年前に始まった「ルームス」は数ブランドが参加するだけの展示会だったが、年々参加数が増加。今年3月から会場内でショーも開くようになった。今回は18ブランドがショーなどを披露した。

 フリルのついたワンピースやデコラティブな飾りのついたレザージャケット。来年の干支(えと)(うさぎ)を意識した「バニー・ロック」をテーマに、変化に富んだコレクションを発表したガッツダイナマイトキャバレーズは、ショー終了後、急きょ展示会への参加を決めたという。デザイナーの一人、キャバレー・アキは「いろんなブランドのショーの流れで展示会に人が来る。普段会えない層の方に会えて、ありがたかった」と語った。

 「ルームスリンク」を主催するアッシュ・ペー・フランスの松井智則ディレクターは言う。「いまだ実現していない、東京から世界への情報発信が最終目標。今後は集約化をさらに進め、海外ブランドの参加も増やしたい」

    ◇

 写真は大原広和氏撮影

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介