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ソウルファッションウイーク 手厚い支援 若手に活気

2010年11月15日12時23分

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写真:[1]ドイ・パリ拡大[1]ドイ・パリ

写真:[2]カール・イソクテ拡大[2]カール・イソクテ

写真:[3]イ・ジニュン拡大[3]イ・ジニュン

写真:[4]ハウ・アンド・ホワット拡大[4]ハウ・アンド・ホワット

写真:[5]トロア拡大[5]トロア

 東京コレクション・ウィークが最終日を迎えた10月22日から、ちょうど交代するかのように韓国で、2011年春夏ソウルファッションウイーク(SFW)が1週間開かれた。デザイナーのレベルは粒ぞろいとは言えないが、市と国が全面的にバックアップし、国外のジャーナリストやバイヤーを100人以上招待する積極攻勢。先輩格の日本を、追い上げる勢いを感じた。

 SFWはソウル市が主催して2000年から始まったファッションイベントで、毎年春秋の2回開かれる。7日間の会期中に60以上の韓国発ブランドのショーのほか、展示会やシンポジウムがあった。

 韓国には1990年から、デザイナーの自治組織が主催するファッションショー「SFAA」もあるが、デザイナーはベテラン中心で、国内の顧客を主な対象とする。これに対してSFWは、市や国が出資し、若いデザイナーを育てて国際的にアピールすることを目的とする、より規模の大きい催しだ。

 最初の2日間はメンズ、今回はそれに続く5日間のレディースコレクションを取材した。

 まず海外留学組が目につく。ロンドンで学び、パリでブランドを立ち上げて「次世代のアナ・スイ」と呼ばれるのは「ドイ・パリ」=写真[1]=の女性デザイナー、イ・ドイ(35)だ。

 今回はアジア的な明るさを感じさせる愛らしいワンピースを発表。シルクシフォン地にピンクやエメラルドグリーンなどの柄をプリントし、スパンコールを乗せて光沢を出した。

 「カール・イソクテ」=[2]=のイ・ソクテもパリ・サンディカ校出身の留学組。鋭く大胆なカッティングで強い女性像を打ち出した。仏や香港、独、中東などのバイヤーから反応があり、海外進出が決まった。「流行のナチュラル志向に反して、自分の好きな未来的テイストを貫いた」と話す。

 昨年スペインの新人賞「マンゴ・ファッション・アワード」を受賞したのは「イ・ジニュン」=[3]=のイ・ジニュン(32)。岩塩を敷き詰めたランウェイを、サーモンピンクの革製ミニドレスや黒いチュールドレスをつけたモデルが歩く。死は生の延長という考えを表現。祝祭感の中に不吉さも漂うインパクトの強いショーだった。

 「ハウ・アンド・ホワット」=[4]=は黒と白を基調にミニマルで洗練されたドレスを、「トロア」=[5]=は昆虫に想を得た特徴あるシルエットを見せた。

 魅力的なショーの一方、全体としてはデザインや技術レベルがまちまちという印象だった。

 ベルギー在住のジャーナリスト、フィリップ・プラシェミさんは「商業的かと思うと実験的だったり、伝統的だったり、方向性がばらばらすぎる」と話す。ベルギーのバイヤーは「ヨーロッパ風を目指すより、韓国の伝統を学んで生かした方がいい」と指摘した。

■視線は世界に

 「デザイナーに国際競争力を身につけさせ、世界的なファッションウイークにするのが我々の目的」

 SFW組織委員会長で韓国ファッション協会長でもあるウォン・デヨンさんは、懇談会で仏や伊などの記者やバイヤーらに語りかけ、改善すべき点についてアドバイスを求めた。「韓国のファッション業界は歴史が浅く、発展の準備段階。まずは1人、国際的なデザイナーが出ることが急務」とも話した。

 SFWの事業費は年間50億ウォン(約3・7億円)で、日本ファッションウィーク推進機構の約4億円と同程度。違うのは「公」のバックアップだ。日本が国の負担と民間の協賛金がほぼ半々なのに対し、韓国では4割を国、6割を市が負担する。市の担当者によれば呉世勲(オセフン)市長がファッションを重点政策の一つに掲げ、08年から事業費を3倍近くに増やしたという。市が所有する会場を無償提供するので、デザイナーの負担も日本より軽い。

 外国メディアの招待にも余念がない。「いかにして極東に来てもらうかも大きな課題」とウォン会長。今回、バイヤー約90人をはじめ、朝日新聞は辞退したが、約30人のジャーナリストにも宿泊費と航空券の一方または両方を提供した。

 ロンドン在住でヴォーグ・インターナショナルのジャーナリスト、スベトラーナ・クネゼビクさんは「招待で初めて来たが、欧州にない色づかいやデザインに出合えた」と話した。(安部美香子)

 ◆写真はいずれもソウルファッションウイーク提供

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