現在位置:asahi.com>ファッション&スタイル>08年秋冬パリ・コレクション> 記事 パリで08〜09年秋冬メンズコレクション開幕2008年01月18日 08〜09年秋冬パリ・メンズコレクションが17日、開幕した。20日までの4日間、パリ市内の各所で40余りのブランドのショーと約30ブランドのプレゼンテーションが開催される。ミラノに続いて、パリの天気も雨。メンズコレクションが始まった一週間前から、今日まで一度も晴れていない。とはいえ、雪やみぞれにたたられた数年前と比べるとまだ過ごしやすいという。「地球の温暖化」が観客席での話題になっている。
初日は注目ブランドが目白押しだった。それらに共通するのは、ファッションが理想とする男性像の変化だ。ひ弱でナイーブな少年から、強くてダンディーな大人の男へ。大人の男性の最もオーセンティックな服である三つぞろいのスーツやフォーマルウエアがデザインし直され、「ダンディー」の象徴ともいえるブリム(つば)付きのポークパイハットが多くのモデルの頭に乗せられている。たくましさを際立たせる肉厚のビッグコートも目に付く。色は落ち着いたブラウンや黒。ショーの演出でも精悍(せいかん)で男っぽいイメージがことさら強調されている。地球環境の危うさが増す中、種の保存への危機感から、強い男性像が求められているせいというのは考え過ぎだろうか。 クールでスリリングな作品を並べて、ルイ・ヴィトンが久々にヒットを飛ばした。作品のイメージは、60年代の映画「地下室のメロディー」から。主演のアラン・ドロンやジャン・ギャバンのように正統派のジェントルマンスタイルの中にも、ちょっと危険なにおいを漂わせるカジノスタイルだ。クラシックなメンズチェック柄のスーツは柄に微妙な濃淡が描かれて粋さを増し、極太パンツのボールドスタイルにはラメのネクタイが合わされて不敵な雰囲気を作る。音楽はジャズ調のピアノライブ。足元の青いライトに照らされて、エナメル靴だけがほの青く近未来的に光る。 ルイ・ヴィトンはバッグの定番柄であるダミエシリーズの新色として、「黒」を発売する。これまでのメーンカラーだった茶に比べて、クールで都会的な印象。販売は8月中旬から。 ヨウジヤマモトの招待状は、学生服の詰め襟の内側につける白いプラスチック製の「カラー」。鼓笛隊の音と共に、学ラン風スーツやダブルブレストの燕尾服などいかにも男っぽいスタイルが並んだ。といっても山本耀司らしい遊びは健在。山高帽のチャプリンスタイルは、ジッパーを開けるとタータンチェックが現れ、ヘリンボーン製のダブルのジャケットは後ろの裾からプリーツスカートのようなシャツがはみ出ている。ヘアはつっぱりのリーゼント。山本は「なんか最近、男たちがフェミニンになり過ぎてる。もっと男らしくてもいいんじゃないかと思って」と舞台裏で語った。 ジャンポール・ゴルチエのクラシックなダンディースタイルは、古いスリラーの主人公を思わせる。コンケープトショルダーのグレンチェックの三つぞろいやテーラードコート。多くのモデルがシャーロック・ホームズの物語にあるように、つば付き帽をかぶり、長く細い傘を手にしていた。(編集委員・高橋牧子、写真は大原広和氏撮影) この記事の関連情報 |