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志野焼の優しさと強さ、ゆがみの面白さ再現 〈まとふ〉

2007年09月03日

 東京コレクションがパリやミラノなど海外のコレクションと大きく違うのは、各ブランドがそれぞれ独自の生地を、しかも国内の産地で作っている点だ。日本に代々受け継がれてきた素材作りの伝統に、ハイテク技術とデザイナーの新しい発想を盛り込んだ生地は、世界的に認められつつある。

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陶器の窒変(ようへん)をイメージしたジャカードのジャケット

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志野焼の素朴な質感や色を思わせる和テーストのコートとドレス

 そんな中で08年春夏東京コレクション4日目の2日、和と洋のモダンな融合を目指す「まとふ」が、素材の質感や色にとことんこだわった作品を並べて注目された。

テーマは陶器の志野焼の「志野」。ぼつぼつとした素朴な質感を、麻ツイードやニット、ジャカードで再現して、和テーストの細長いシルエットにのせる。服のフォルムは時に陶器のようにゆるやかにゆがませた。

 ベージュに赤が混じったジャカードのドレスは、陶器を焼く時に火の具合などで形や色が変わる窒変(ようへん)を思わせる。志野焼に見られるかすんだ草花の柄は、ブラシで描いて鉄粉をふりかけた上に、蒸すことで錆びた感じを出してキモノコートに仕立てた。生地を蒸している間、本当の窒変のように色が変化したものもあったという。貫入(かんにゅう)と呼ばれる陶器のひび割れは、コットン地に表面加工をして似せた。

 素材作りに1年もかけたという。その間、古い志野焼の陶片にさわったり、実際に茶碗を焼いたり。デザイナーの堀畑裕之と関口真希子は「志野の持つ優しさと強さ、ゆがみの面白さを表現したかった。茶道では、茶碗に風景を見るっていうでしょ。日常の中の新しい風景。見る人が、この服に新しい景色を探してくれれば」と思いを語った。(編集委員・高橋牧子)

 ◇写真は大原広和氏撮影

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