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プラスの感情を添える

2011年4月8日

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 デザインというものは、社会と使い手、そして作り手の美意識と必要性の接点によって、価値が決まるのだと思う。表層的な物も一時的な物も、本質的な物も、全ての次元でそれぞれの接点を持ち、物や表現を生むエネルギーの源となっている。

 今、人々の生活が多様化していく中で、物の生産は効率的に行われ、世界中に物流網は張り巡らされ、地域性は失われつつある。こうした社会の中でデザインも細分化され、分類化されるという現在がある。

 個人はそれぞれの日常で、無数に得られる世界中の情報や不特定多数のコメントを、自分流に編集し生活に活用する。それはまた、新たな情報として他者へ環流していく。私たちの生活は、良くも悪くも日常域を大きく超えて、ネットワーク化されている。そしてそれは、一見、無秩序な広がりを持つように存在しながらも、ひとたび分類しようと思えば瞬時に整然と整理される世界だ。

 そのように私たちは、「情報空間」という領域を加えた日常の中にいる。その時、心を満たす役割のデザインは、何を示していくべきなのだろうか。それは物から感情を喚起できるものだと私は思う。そして、様々な事象にできるだけプラスの感情を添えるということを、デザインの意図としたいと考えている。

 社会のネットワークが、情報空間の領域で時も距離も超えた今、実体験としての物への感動や感情表現を、強く感じられるデザインが生みたい。物はつくられる過程で人の気持ちを含んでいく。それは機械で作った物でも畑で育てた物でもそうだと思う。それはとても尊い。

 日本はこれから復興の道程を行く。大いに日本の物づくりの力が生かされ、人の気持ちが含まれた再生となることを願っている。(ファッションデザイナー)

 ◆「デザインの接点」は今回で終わります。

プロフィール

皆川明(みながわ・あきら)

ファッションデザイナー。67年東京生まれ。95年ブランド「ミナ(現ミナ・ペルホネン)」設立。

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